米アマゾンは11月29日、新たな宅配ドローン映像を公開した。以前のマルチコプター型とは異なり、VTOL(垂直離着陸)する航空機型となっている。
アマゾンは商品配送に自律飛行型無人航空機、いわゆる配送ドローンの計画を進めており、ドローン規制の枠組みを構築しつつあるFAA(米連邦航空局)とは火花を散らした応酬をしつつ、配送実験を行なってきた。
2014年に公開された宅配ドローン「Amazon Prime Air」は純然たるマルチコプター型だったが、新機体は三胴型(両脇にブームがあるので5胴型)。中央胴体に荷物を載せ、両側の胴体に浮上用のプロペラが8基搭載されている。
8ローター型のクアッドコプターと言えるが、垂直尾翼部分には前進用プロペラが装備されており、串型翼を持つ固定翼航空機のように飛行する。5ポンド(約2.27kg)の荷物を運び、機体重量は55ポンド(約25kg)で10マイル(16km)以上を空輸できるという。なお、55ポンドはFAAが商用ドローンとしての上限として定めている機体重量。
やはりプロペラの推力だけで飛ぶマルチコプター型よりも、翼によって揚力を生み出す航空機とVTOLを組み合わせたほうが燃費的にも良さそうなのは確か。グーグルもVTOL固定翼型の配送ドローン(ただしテールシッター型でアプローチは異なる)の研究を進めている。
FAAによる認可(規制の詳細も現在調整中)がどうなるか未定なところも大きいが、注文から30分で庭まで配送というアマゾンのドローン宅配構想自体、技術的にはかなり目処が付いてきていることがうかがえる。
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