USBオーディオインターフェース「DS-DAC-10R」のファーストインプレッションをお届け
レコードをずっといい音で、コルグの録音できるDACがスゴイ!
2015年10月25日 11時00分更新
コルグはレコードプレイヤーを直接つないで、DSDで録音できるUSBオーディオインターフェース「DS-DAC-10R」を発表しました。DSDのネイティブ再生など、従来のDSD-DACシリーズの機能を引き継ぎ、LINE INとPHONO(フォノ)端子を新設し、意匠設計し直したものです。
市場想定価格は6万円前後。発売は2015年11月末。あわせてDS-DAC-10Rのレコーディング機能に対応したソフト「AudioGate 4」もリリースされます。その発表会が、2015年10月21日にコルグ本社で行なわれましたので、その印象をまとめてみました。
正統派のオーディオ機器へ進化
筐体はダイキャストに一新され、最近流行りのCDジャケットサイズコンポ風に。持った感じもずしりと重い1.1kgで、楽器メーカーが作るオーディオインターフェースにありがちな、ケースを叩くとチーンと鳴るような安っぽさはありません。これならオーディオ業界のみなさんも納得ではないでしょうか。
筐体がダイキャストということで、同じデザインのほかのコンポを作る計画でもあるのかと勘ぐってしまいましたが、上面左側が膨らんでいるので、ミニコンポ風にスタックするのは難しそうです。でも、コルグがノリタケと共同開発した例のネオ真空管「Nutube」のパワーアンプなんかがあったら、かなりカッコイイと思うんですが、どんなものでしょうか。
話を戻して、パネルはボリュームとヘッドフォン端子だけというシンプルさですが、これはAudioGate 4から設定や操作を行なう前提となっているためです。
そしてDS-DAC-10Rは、なんとフォノイコライザのカーブが選べます。すげー! と言ってもレコードを知らない世代の方には、さっぱりわからないと思われるので、少し説明しましょう。
まず、アナログプレイヤーの出力をそのままライン入力につないでも、出力が低いので鳴りません。それを補うためのアンプが必要です。これをフォノイコライザー、あるいはフォノアンプと言います。これには特定のカーブを持ったイコライザーが載っています。
レコードは記録する周波数が低くなるほど、盤面に刻まれる溝の幅が大きくなって、記録時間を圧迫してしまうわけです。これを解決するために、カッティング時に低域を落として溝の幅をおさえているのですが、再生時には元の特性に戻すため、逆に低域を持ち上げなければなりません。それでイコライザーが必要なわけです。