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ICT事業「スマートコンストラクション」の全容に迫る

労働力不足も解消!コマツのIoTで建設現場はここまで変わる

2015年10月29日 12時00分更新

文● 川島弘之/TECH.ASCII.jp

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普及に向けて

 コマツがスマートコンストラクションを初めてお披露目した2015年初では、まだまだ構想段階で20%ほどしか実現できていなかったという。1年足らずでここまで具体性を持ったポートフォリオを作り上げたのは見事だ。

 ただ、実際の普及のためには悩ましいハードルも存在する。日本の建設業は年商6億円以下の中小企業が94%を占める。労働力不足はそうした企業においてこそ深刻で、中小企業の支援ができなければ業界としての生産性向上は成し得ないのだが、そうなると当然、導入コストが課題となる。また、ICT施工へのリテラシーも十分ではないと四家氏は指摘する。

 「実は当社もICT建機を国内ではまだ販売していない。現在は情報化施工の黎明期であり、その経験もまだまだ不足している。そこですぐに販売からではなく、まずはスマートコンストラクションのプロセスすべてを実験的に試用提供するところから始めており、普及啓発を優先する市場投入方針としている」

 また、ICT建機による施工でも、やはり熟練オペレーターと経験の浅いオペレーターでは施工量に差が出るという。それはICT建機そのものを前進・後進させる操作について、熟練者はきれいに安定しているに対して、どうしても初心者はぎこちなさが出てしまうからだという。「そのあたりにはまだ改善の余地がある」と四家氏。

 ただ、それでも情報化施工が建設現場を激変させることに変わりはない。以下はコマツが出稿した新聞広告だ。社名も建機も控えめな広告だが、実はこの広告、土木関係者には驚きとともに受け止められたという。

土木関係者には驚きとともに受け止められた新聞広告(提供:コマツ)

 写真では、1台のブルドーザーが広大な土地を整地している。その軌跡は一筆書きしたような渦巻き状だ。こうした整地は本来なら補助作業員が丁張しながら、ブルドーザーを前進・後進と繰り返しながら行うという。つまり、このような渦巻き状はICT建機でしか作り出せない跡で、ICT建機を知らない土木関係者にとっては未知の光景だったのだ。

 それが、当たり前の風景になる日も近いだろうか。

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