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無料化、そしてゲームを超えてCG映像を作る時代へ

ゲーム業界から革命起こる、進化続けるUnreal Engineの今

2014年10月24日 13時00分更新

文● 新清士、編集●ASCII.jp

Unreal Engine 4の画面

 10月18日に、パシフィコ横浜で、Epic Games主催のUnreal Fest 2015が開催された。このイベントは、同社が展開するゲーム開発のための統合オーサリング環境のゲームエンジン「Unreal Engine(アンリアルエンジン)」についての専門カンファレンスだ。

 Unreal Engine 4(以下、UE4)には、日本でも注目が高まってきており、このカンファレンスには事前の申し込みで1200人以上の登録者を集め、昨年以上の盛り上がりを見せた。UE4が、ゲームやVR、CG映像に大きな影響を与えようとしている実情を紹介する。

汎用ゲームエンジンの使用が一般化しつつあるゲーム業界

 ゲームエンジンは5年前ぐらいまで、それぞれのゲーム会社が社内に専門スタッフを抱え、CGの最先端技術を使って開発する体制を取るのが一般的だった。社内ゲームエンジンの品質がゲームの品質にも直結するため、他社と差別化するためのポイントだった。しかし、ゲームエンジンを自社で開発し、さまざまなスマートフォンに対応させる環境を構築し、維持するためにはコストが掛かるため、割に合わなくなってきている。

 ゲーム会社は自社でゲームエンジンを作り、維持し続けることを諦め、さまざまな企業で使われることで実績を積んでいる、外部の汎用ゲームエンジンを採用するケースが増加しつつある。

 UE4が昨年あたりから注目を集めるようになっており、特にPS4世代になって家庭用ゲーム機での作用例が増えている。

 2015年7月には「ドラゴンクエスト11~過ぎ去りし時を求めて~」のPS4版は、UE4が採用されることが発表された。2月にリリースされたバンダイナムコエンターテインメントのアーケードゲーム「鉄拳7」もUE4を採用しており、それにより開発期間が技術検証からリリースまで、1年あまりという短期間で実現できたことが、今回のUnreal Festで明らかにされた。

 Unreal Engineは、Epic Gamesが開発しているシューティングゲーム「Gears of War」シリーズ(Xbox 360など)向けに開発されていたゲームエンジンだったこともあり、ハイエンド志向が高い。その代わり、マシンパワーを活かしてリアルタイムでレンダリングされて生成されるCG映像は写真のような美しさを実現できる。

 ただ、性能の高い家庭用ゲーム機では有用に使えても、性能が低いスマホゲームには向かないという特性を持っていた。

 そのため、ゲームエンジンの普及としては他社に大きく水を空けられている状況が続いている。また、以前は、ライセンス費用も高額で、一般のホビーユーザーや、ベンチャー企業、インディーズゲーム会社が手軽に手を出せるという状況ではなかった。

 ところが、今年3月にこの状況が一変した。

(次ページでは、「UE4は無料化した」)

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