日本マイクロソフトが「Surface book」「Surface Pro 4」を国内で正式発表
一方、日本マイクロソフトでは、10月14日に、15社のデバイスベンダーとともに会見を行ったのに続き、10月22日には、Surface bookおよびSurface Pro 4による自社ブランド製品を、国内で正式発表してみせた。
グローバルでは、自社ブランド製品に続いて、デバイスベンダーの製品を発表するという順番であったが、日本ではデバイスベンダーの製品を発表してから、マイクロソフトの自社製品を発表するという逆の順番。しかも、複数のデバイスベンダーを集めて会見を行なったというのは、グローバルでも日本だけのものだった。
このあたりは、パートナービジネスが軸となる、日本ならではの「配慮」と「仕掛け」だったといえよう。
会見では、冒頭の言葉のように、平野社長が「第2章」への突入を宣言。さらに、15社のデバイスベンダー幹部が出席して、自社製品を手に持ちながら登壇。平野社長と記念撮影に収まった。
「日本市場においては、260機種のWindows搭載デバイスが発売される。機種数が最も多いのが日本市場。世界最強のラインアップが実現される市場になる」とする。
Windows 10「第2章」の、ふたつのポイント
Windows 10の「第2章」には、ふたつのポイントがある。
ひとつは、Windows 10の新機能が、いよいよ活用できる段階へと入ってきたという点だ。
たとえば、Windows 10の新機能である「Windows Hello」は、顔や眼球の虹彩を認識してサインインできる生体認証機能。当然、それに対応したカメラが必要だ。10月から発売されるデバイスでは、Windows Helloに対応した製品が相次ぐ。
「既存デバイスだけでは、Windows 10の新機能を体験してもらえない場合が多かった。だが、新たに発売されるデバイスは、新機能に対応した製品ばかり。いよいよWindows 10の機能を体験してもらえる」と、日本マイクロソフトの平野社長は語る。
もうひとつのポイントは、日本マイクロソフトが、Windows モバイルデバイス(つまり、Windowsを搭載したスマホ)を、正式に国内販売すると宣言したことだ。マイクロソフトが自社ブランドのLumiaを国内投入すると宣言したわけではなく、これまで投入を発表していたマウスコンピューター、freetel、サードウェーブのほかに、VAIO、Acer、トリニティがWindows モバイルデバイスを国内投入することになる。
「これまでは、歯切れの悪い発言しかできなかったが、ようやくWindows モバイルデバイスを日本市場に投入できるといえる時期がやってきた」としたものの、具体的な事業計画については「まだ目標を話す時期ではない」とやや歯切れの悪さを残したのは残念だった。
だが、「こうした形で6社が一斉にWindows モバイルデバイスを発表するのは日本だけ。今後も、ほかのデバイスメーカーからWindows モバイルデバイスが登場することになるだろう」と、さらなる参入が見込まれていることを明かしてみせた。
Windows 10は年末商戦を活性化できるか
第1章の出足は、世界的に見ても好調であり、日本においても、「社内指標はクリアしている」(平野社長)と好調ぶりを示す。
一方で、第2章の成果を推し量るのは、年末商戦ということになるだろう。
平野社長は、「Windows 10の新機能を試してみたいという声が多い。これだけ多くの新たな製品が登場することで、年末のPC市場は活性化すると予測している。Windows 10の新たな体験ができるという観点から、ユーザーの関心が高まり、需要を喚起するのではないか」と語る。
Windows XPのサポート終了に伴う駆け込み需要の反動が引き続き見られ、厳しい市場環境が予測される年末商戦において、Windows 10がどこまで市場を活性化できるかが注目されるところだ。
「第2章」に続く、「第3章」は
ところで、「第2章」に続く、「第3章」はあるのだろうか。
そのあたりを平野社長に直撃してみた。
平野社長はニヤっと笑いながら、「それはまだ言えない」とひとこと。「手を変え、品を変えて、市場を盛り上げていくのがWindows 10」と語る平野社長。第3章どころか、その先まで続きそうな予感を感じた。
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