「Windows 10は、第2章へと突入することになる」--。
2015年10月14日、東京・水道橋の東京ドームホテルで、15社のハードウェアベンダーとともに、会見に臨んだ日本マイクロソフトの平野拓也社長はそう宣言した。
Windows 10は、7月29日から、Windows 7および8.1のユーザーを対象に、無償でアップグレードの提供を開始。これまでに全世界で1億1000万台のデバイスでWindows 10が利用されているという。しかも、企業においても、すでに800万台でWindows 10が利用されている。検証などに時間がかかる企業での利用が、わずか2ヵ月程度でこれだけの規模に広がっているというわけだ。
「過去のWindowsに比べて、最も速いスピードで広がっている」と、Windows事業を統括する米マイクロソフト オペレーティング システム エグゼクティブ バイスプレジデント テリー・マイヤーソン氏は自信をみせる。
ほかにも、Windows 10の出足の良さを表現する数字はいくつもある。
14日の会見に出席した米マイクロソフト OEM部門コーポレート バイス プレジデントのニック・パーカー氏は、その具体的な数字を羅列。192カ国で、9万機種以上のPCとタブレットにWindows 10がアップグレードされたこと、最も古いPCは2007年の製品であったこと、12億5000万以上の人がWindowsストアを訪問したこと、Windows 10提供開始以降、ダウンロードごとの開発者の収益が4倍になっていること、Windows 8と比べたデバイスあたりのアプリダウンロード数が6倍以上になっていることなどを指摘した。
「ワンストア、ワンエクスペリエンスといったWindows 10の特徴が生かされ、それが大きなモメンタムになっている。パートナーのビジネスも拡大している」と、その手応えぶりに胸を張る。
7月29日からの約2ヵ月間は、無償提供による普及戦略が柱。「いかに使ってもらうかが鍵」として、既存ユーザーの利用促進に力を注いだ。それがWindows 10にとっての「第1章」である。
「Surface Book」「Surface Pro 4」はWindows 10「第2章」の幕開け
そして、10月6日に、米ニューヨークで、マイクロソフトが発表した「Surface Book」「Surface Pro 4」による自社ブランド製品が「第2章」の幕開けだ。
「第2章」では、Windows 10搭載デバイスがいよいよ市場投入されることを指す。
実際、この発表を皮切りに、デバイスメーカー各社から、Windows 10搭載デバイスが続々と発表されている。
米本社が主要デバイスメーカーと連携する形で、製品発表会見を相次いで実施。パートナーツアーと呼ばれるこの一連の発表では、7日にバルセロナで米ヒューレット・パッカードが新製品を発表した。さらに続き、8日にはデルがニューヨークで、9日にはASUSがサンフランシスコで、12日にはAcerが台北。14日にはLG電子がソウルで、15日にはレノボがサンフランシスコでそれぞれ会見を実施。米マイクロソフト本社から、テリー・マイヤーソン氏などが直接会場に駆けつけた。
日本では、東芝が唯一このパートナーツアーに参加。10月13日に、東京・品川で会見を行い、米マイクロソフト本社からはテリー・マイヤーソン氏が参加し、東芝が発表したWindows 10搭載の新モデル「dynaPad」を高く評価してみせた。
テリー・マイヤーソン氏は、「それぞれのデバイスパートナーが、ユニークなスキルやアイデアを、新たなデバイスの中に表現している」と前置きし、「東京で行われた東芝の発表会に出席して感動したのは、dynaPadを『1枚の紙』に例えて表現していたこと。
私は、今回の東芝の新製品について、自分のブログの中で特徴を紹介したが、スペック中心で記述したことを反省した。『1枚の紙』という特徴を打ち出した形に、ブログを書き替えたい気分になった」と語るほど、東芝の新製品の特徴に感動していたようだ。
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