AWS re:Invent 2015で見た破壊的創造 第5回
顧客ニーズを組み込んだ正当進化が次々に!
Lambda、コンテナ、セキュリティ!re:Invent 2015怒濤の新製品
2015年10月09日 18時00分更新
コンテナ対応も強化!フルマネージレジストリを用意
昨年、「Amazon ECS(EC2 Container Service)」を発表し、コンテナ対応を強化するAWS。ボーガス氏は、「コンテナ管理はまだまだヘビーリフティング。力のいる作業だ」と述べ、コンテナ管理をより容易にする方向性を指向した。
今回発表されたのは、Dockerコンテナのイメージを保存、管理、配布するためのレジストリ「Amazon EC2 Container Registry(Amazon ECR)」。フルマネージドで、スケール可能なAmazon ECRは、AWS IAMとも連携しており、認証やアクセス制御が可能。また、AZ(Availabirity Zone)越しでのコンテナの冗長化や複数コンテナをデプロイできるDockerのCOMPOSEのサポート、ECSでのCLI対応なども投入される予定となっている。「コマンドラインを使って、ECSからコンテナを起動できる。COMPOSEファイルを指し示して、CLIからアプリケーションが起動できる」とボゲルズ氏は語る。
ボーガス氏は、コンテナを活用しているユーザーとしてMeteorやCourseraなどを紹介。さらに米REMINDのエンジニアリングVPであるジェイソン・フィッシェル氏を迎え、Amazon ECSの事例を披露した。
「毎日8300人の学生が落第している。教師、学生、保護者をエンゲージすることで、この問題をなんとか解決していきたい」(フィッシェル氏)というREMINDは全米で3000万人にもおよぶ教師、学生、保護者を抱えるコミュニケーションプラットフォームを展開している。1日のユーザー数は40万、1ヶ月のメッセージ数は2億におよび、「新学期には絶対に落とすことはできない」とのことで季節変動が激しいのが特徴だ。こうした中、クラウド上でのマイクロサービス採用は必然的だった。「システムを水平的に展開できる。そして、それぞれのチームが依存性なく、システムをリリースすることができる」とフィッシェル氏は語る。
そして今年の1月にはコンテナの管理、セキュリティ、運用を容易にするプロジェクトとして「Empire」を立ち上げ、さらに6月にはオープンソース化した。同社はAmazon ECSをEmpireで採用し、30のアプリケーションを36のECSコンテナインスタンス、244のコンテナを稼働させるいるという。「ECSの導入で、穏やかな新学期を迎えることができた」とフィッシェル氏は語る。
(→次ページ、Pythonサポート!大幅な機能拡張が施されたLambda)
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