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富士通PCをWindows10にアップグレード 第5回

Windows 8プリンストールPCから10へのアップグレードをおさらいしよう

2015年09月30日 22時36分更新

文● 高橋量 編集●金子/ASCII.jp

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 Windows 10のリリースから2ヵ月以上が経過した現在、すでに多くの方がアップグレードを済ませていることだろう。だがなかには利用環境などの理由によりアップグレードできなかった方や、しばらく様子を伺っていた方もいるかもしれない。今回はそんな方々のために、これまで取り上げたWindows 10へのアップグレード手順をおさらいしよう。

まずはリカバリーディスクの作成とデータのバックアップ

 Windows 10へのアップグレード中になんらかのトラブルが発生すると、システムが起動しなくなってしまうことがある。もしくはアップグレード後に、購入時の状態に戻したいこともあるだろう。そのような場合、リカバリーディスクを使って元のOSをインストールし直す作業が必要だ。トラブルが発生する可能性がごくわずかだが、万が一に備えて準備しておこう。

 富士通製PCなら標準収録のバックアップツールからリカバリーディスクを作成可能だ。2011年秋冬以降のモデルなら「バックアップナビ」、それ以前のモデルなら「マイリカバリ」というソフトを利用する。各ソフトの使い方については、富士通のサポートページをご覧いただきたい。

2011年秋冬モデル以降の富士通製PCには、リカバリーディスクを作成できる「バックアップナビ」が標準でプリインストールされている

 ちなみにリカバリーディスクを作成するには、ストレージにリカバリー領域が残っている必要がある。リカバリー領域を削除してしまった、あるいはなんらかの理由でリカバリー領域にアクセスできない場合にどうしてもリカバリーディスクが必要になった場合は、富士通の「リカバリディスク有償サービス」を利用する。2014年5月以降に発表されたモデルではリカバリーディスクを入手するのに8100円(税込み)かかるので、アップグレードする/しないに関わらずリカバリーディスクを用意しておきたい。

 またリカバリーディスクを使ってPCを出荷直後の状態に戻すと、写真や動画、文書などの個人データもすべて失われてしまう。重要なデータはほかのドライブや外付けストレージなどにバックアップしておくべきだ。富士通製PCではデータのバックアップについても「バックアップナビ」で行なうことが可能。大切なファイルを失わないためにも、必ずバックアップを実行しておくこと。

「バックアップナビ」では、写真や動画、文書などの個人データもバックアップできる

 なお「バックアップナビ」を使ったリカバリーディスクの作成方法やデータのバックアップ方法については、 第1回で紹介しているので参考にしていただきたい。

システムやドライバーを最新版にアップデートする

 Windows 10を利用するためには、OSや各種ドライバーソフトを最新の状態に更新しておく必要がある。システムの更新には、Windows Updateを利用すればOK。更新プログラムのひとつ「KB3035583」をインストールすれば、デスクトップの通知領域に「Windows 10を入手する」というアイコンが表示されるはずだ。

コントロールパネルのWindows Updateから、未インストールの更新プログラムを導入する

更新プログラムのひとつ「KB3035583」を適用すると、デスクトップの通知領域に「Windows 10を入手する」というアイコンが表示されるようになる

 ドライバーソフトの更新を行なうには、PCメーカーや使用しているパーツのメーカーのサポートページからアップデート用プログラムを入手する必要がある。富士通製PCなら、標準でプリインストールされている「アップデートナビ」から、最新版のドライバーソフトをまとめて導入可能だ。

富士通製PCにプリインストールされている「アップデートナビ」。更新の必要なドライバーソフトやアプリをまとめて導入できる

Windows 10にアップグレードする

 準備が終わったら、Windows 10へのアップグレード作業に取りかかろう。通知領域に表示される「Windows 10を入手する」からアップグレードの予約を行なうと、作業に必要なファイルが自動的にダウンロードされる。ファイルのダウンロードはバックグラウンドで行なわれるため、ユーザーがなにかしら作業を行なう必要はない。

「Windows 10を入手する」からWindows 10へのアップグレードを予約できる

 ファイルのダウンロードが完了し準備が整ったと判断されると、Windows 10へのアップグレードを促す通知が表示される。リカバリーディスクの作成やデータのバックアップが終わっているなら、アップグレードの作業を行なおう。基本的に難しい設定はなく、画面の指示に従いながら作業を進めれば、1時間から1時間半程度で終わるはずだ。

アップグレードの準備が整うと、通知が表示される

ライセンスの確認などを行ない、アップグレードを実行する

アップグレードにかかる時間は1時間から1時間半程度だ(マシンによっては時間が増減する場合もある)

途中で既定のアプリや個人設定など簡単な作業を行なう必要がある

従来のOSに比べて作業の手間が少なく、手軽にアップグレード可能だ

 なおアップグレードの詳しい手順については、第2回でご確認いただきたい。

手動でWindows 10にアップグレードする

 アップグレード準備が整ったという通知がいつまでも表示されない場合、マイクロソフトが公開している「メディア作成ツール」から手動によるアップグレードが可能だ。可能であれば通知が届いてからアップグレードを行なうのが好ましいのだが、すぐにでもアップグレードしたい場合の最後の手段として使うことをおすすめする。

 メディア作成ツールではマシンを直接Windows 10にアップグレードできるほか、DVDやUSBメモリーを使ったインストール用メディアを作成できる。どちらもファイルのダウンロードを行なう必要があるが、時間は1時間半から2時間程度で終わるはずだ(環境によって作業時間は増減する可能性がある)。インストール用メディアはリカバリーの手段としても使えるので、必要に応じて作成しておくといいだろう。

手動でWindows 10にアップグレードできる「メディア作成ツール」のダウンロードページ

メディア作成ツールからアップグレードできるほか、インストール用のDVDやUSBメモリーなどを作成することもできる

 メディア作成ツールを使ったアップグレード方法については第3回、インストールメディアの作成方法については第4回で詳しく解説しているので、作業の前にご確認いただきたい。

Windows 10から元のOSに戻す

 Windows 10はアップグレードしてから1ヵ月以内であれば、アップグレード前に使っていたOSに戻すことが可能だ。ただしアップグレード後にユーザーアカウントを変更していたり、以前の状態を保存した「windows.old」フォルダーや「$windows.~bt」フォルダーを削除したりすると戻すことができない。事前にマイクロソフトのページで詳細を確認しておこう。

Windows 10の設定アプリから「更新とセキュリティ」→「回復」と選び、「Windows ◯◯に戻す(写真では「Windows 8.1」)」を実行する

前のOSに戻せるのは、Windows 10にアップグレードしてから1ヵ月以内まで

事前にメーカーのサポート情報を確認すること

 最新OSへのアップグレードには、なにかとトラブルが起きることもある。しかし事前の準備を行ない正しい手順をしっかり把握しておけば、なにか問題が置きても慌てることなく対処できるはずだ。アップグレードの前に、メーカーのサポートページを確認しておきたい。

 富士通ではWindows 10に関するさまざまな情報がサポートページで公開されている。アップグレード後に発生するトラブルへの対処方法などもまとめられているため、必ず確認しておこう。



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