立命館大学は9月17日、UHF帯電波を用いた無線給電で、バッテリーレスの小型マルチコプターを浮上させることに成功したと発表した。
無線給電には、電磁誘導(Qiが採用する)や次世代の磁界共鳴などがあるが、コイル同士を対向させる必要やコイルサイズが大型化する点が飛行体には不利となるため、UHF帯(300MHz~3GHz)の無線送電を採用している。
送電は平面状のバッチアンテナを作成していることに加え、受電アンテナ用のスペースを別に取らなくても済むようにプロペラ自体に受電アンテナを組み込んでいるのも大きな特徴。アンテナ線をプロペラブレードに組み込み、整流回路とモーターをプロペラごと回転させる工夫が凝らされている。
機体形状はマルチコプターで一般的な4ローターのクアッドコプタータイプで、直径は24cmながら重量は27gと軽量。45cmの送電アンテナ(ローターそれぞれにアンテナが用意されるため)の上を高さ10cmで浮上に成功した。送電アンテナへの投入電力は30W、浮上のためのエネルギーは6~8Wなので、電力伝送効率は20~25%という。
研究室では、電力変換効率の高効率化、モーターとローターのギア比最適化などで浮上距離をさらに伸ばし、送電制御により飛行制御などを試みるという。また、同技術をインホイールモーターなどへの応用も検討するとしている。