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業界人の《ことば》から 第163回

企業家は数学者と違い、直面した課題に気付けばすぐ起き上がる、その解決が社会的利益を生む

2015年09月24日 09時00分更新

文● 大河原克行、編集●ASCII.jp

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相乗りできるサービス「UBER POOL」も開始

 最近では、相乗り方式での利用サービス「UBER POOL」も開始した。

 「2台必要だったクルマが1台で済むようになる」とする一方、ゴールドマンサックスの社員と乗り合わせた例があるとして、「新たな出会いを生むことができる」とも語る。

 だが、UBERのメリットはこれだけではないと、カラニックCEOは語る。

 「私の夢は、すべてのクルマをUBERにすることである。そうすれば、クルマを所有するよりも安い料金でタクシーを利用できるようになる。駐車場が不要になり、交通渋滞がなくなり、公害も減る。タクシーを呼ぶ時間が少なくなり、ドライバーの雇用も増える。街を活性化することができる」とする。

パートタイムで働くタクシー運転手もおり、週に10時間以下のドライバーも

 雇用の形態もユニークだ。

 サンフランシスコでは、一般のドライバーが簡単にUBERに登録して、営業を行うことができる。そのため、UBERのドライバーはパートタイムで働いているケースが多いという。週に10時間以内しか働いていないというドライバーは50%に達するという。

 「ぜひ、UBERのドライバーと話をしてみてほしい。ドライバーとは別の仕事をやっている場合も多い。いろんな仕事の話を聞けるはずだ」とする。

 そして、こうも語る。

 「すべてのクルマがUBERになり、走るクルマの数が減ると、サンフランシスコの渋滞がなくなる。そうすれば、みんなの自由時間が1時間は増える。その分、家族といる時間が増加することになる」

 さらに、食事を届けることができるようなサービスにも参入する計画を示す。

 「蛇口をひねれば、すぐにシャワーを浴びられるように、ボタンを押せば欲しいものが手に入る世界を作りたい」

 社会を変え、人の生活を変えることができるというのが、UBERが目指す世界だというわけだ。タクシー会社の枠を超えた夢を描いているのがUBERということになりそうだ。

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