4Kビデオの真価は静止画切り出しにある!
「iPhone 6s」シリーズのカメラ機能の特徴は、何も「Live Photos」だけではない。ヘタなコンパクトデジタルカメラよりもよっぽど手軽にきれいな写真が撮れると定評のあるiPhoneのカメラ機能(iSightカメラ)が、なんと1200万画素に高解像度化した。
以下、サムネイル画像をクリックすると、3024×4032ピクセルまたは2448×3264ピクセルの画像が表示されます。
これまでより、シャープにディテールが描かれるようになった点もうれしいが、ズーム機能を使った時の解像度も向上している点も見逃せない。「iPhone 6s」シリーズのデジタルズームのレンジは5倍(35mm換算で145mm)と従来通りだが、その状態で撮影した写真の解像度は「iPhone 6」シリーズでは2448x3264ピクセルだったのが、「iPhone 6s」シリーズでは3024x4032ピクセルになっている。もちろん、解像度が上がったとはいえデジタルズームなので、ジャギー(ギザギザ)は目立つのだが、ディテールのつぶれなどは軽減されている。
以下、サムネイル画像をクリックすると、3024×4032ピクセルまたは2448×3264ピクセルの画像が表示されます。
もうひとつうれしいのが、ビデオ撮影機能だ。「iPhone 6s」シリーズからは、ついにフルHDの4倍の解像度となる4Kビデオでの撮影が可能になった。もっとも、撮影やiMovieでの編集ができるようになったというだけで、4K解像度を保ったままYouTubeやVimeoなど動画投稿サイトに書き出せない状態で、この解像度を生かした活用をしようという場合は、パソコン頼りの仕様になっている(以下サンプルも、直接YouTubeにアップロードできないので、一度、パソコンに取り込んでからアップロードした)。
「iPhone 6s Plus」を利用した、4Kビデオ撮影サンプル |
こちらは、「iPhone 6s」で4Kビデオ撮影を行なったもの |
「iPhone 6」によるフルHDビデオ撮影サンプル |
そんな、まだちょっと物足りない仕様の4Kビデオ撮影機能ながら、実は取材などにiPhoneを使っている人にはすごく便利な側面がある。なんと、4Kビデオ撮影中であっても、これまで同様に白いシャッターボタンを押せば、動画から切り出す形で静止画の記録ができる。動画の撮影解像度が3840x2160ピクセルに向上したのにあわせて、静止画の切り出し解像度も同じサイズになった。この3840x2160ピクセルを計算してみると、なんと830万画素もあるのだ。これまでのフルHD解像度から切り出した200万画素の静止画だと、最近ではちょっと見劣りしてしまうが、800万画素以上の静止画なら、これまでの「iPhone 6」シリーズと比べても遜色がない。動画を撮りながら、静止画も記録したい人には、「iPhone 6s」シリーズの4Kビデオ撮影機能はまさに理想の機能なのだ。
こちらは4Kビデオ撮影サンプル。以下に掲載した、切り出した静止画と見比べてみてほしい |
ただし、もちろん、容量には注意をしなければならない。
わずか30秒の動画でも4Kビデオで撮影した場合は200MBほどの容量になる。iPhone 6のフルHD解像度で撮影した場合の約2倍ほどだ。
「Live Photos」も、1回撮影すると、写真2枚分ほどの容量になるといわれている(実際には3枚ほどの容量になることも多い)。そう考えると、これら「iPhone 6s」シリーズのカメラ機能を存分に使おうとしている人はかなり容量の消費には注意が必要かもしれない。