このページの本文へ

前へ 1 2 次へ

顧客中心の“IoC”を、セールスフォース「Dreamforce 2015」レポート 第3回

「Dreamforce 2015」で発表された「IoT Cloud」「Salesforce IQ」

セールスフォースの新製品群はどんなインパクトを持つのか

2015年09月22日 09時00分更新

文● 大河原克行 編集● 大塚/TECH.ASCII.jp

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

新たなCRMソリューション「Salesforce IQ」の日本発売時期は?

「Salesforce IQ」も新たに発表された

――新製品として、中小企業などを対象にした新たなCRMソリューションとして「Salesforce IQ」が発表しました。しかし、日本での投入時期が明確にされていません。日本市場への投入はどうなりますか。

デイヨン氏:昨年発表したLightningなどのコアとなる製品については、日本でも同時期に投入しました。セールスフォースにとって、日本は2番目に大きな市場であり、非常に重視している市場です。私も、年に3回は日本を訪れています。

 では、なぜ、今回のSalesforce IQは日本での投入時期を明確にしないのか。それには理由があります。Salesforce IQは、2014年に買収したRelateIQの技術を活用して、初めて当社の製品として市場に投入するものです。この製品をグローバルで同時に投入するというのは非常に難しいものがありました。買収した新たな技術は、まず米国で投入して、そこで評価を得てからグローバル展開するということになります。

 ただ、先にも触れたように日本は大変重要な市場ですし、重要なお客様もいます。Salesforce IQも、当然のことながら、日本市場への投入プランが計画されています。なるべく早い時期に、日本市場に投入できるように努力したいと考えています。

――今年夏にも日本に来られたようですが、日本において、なにか課題に感じた点はありますか。

デイヨン氏:日本はエンジニアリングや技術が進んでいる国ですから、そうした市場に対して、すばらしい経験を提供したいと考えています。また、顧客にフォーカスしてビジネスを行っている企業が多いのも特徴です。セールスフォースの製品が力を発揮できる最適な市場でもありますし、我々の価値を認めていただきやすい市場でもあります。今度は12月に日本を訪問する予定です。その際には、2週間ほど日本に滞在する予定です。

セールスフォースはやはり「ソフトウェア企業ではない」

――これまでセールスフォースは、ソフトウェア企業ではないという言い方をしていました。しかし、Dreamforce 2015の基調講演では、マーク・ベニオフ会長兼CEOが、「我々は世界で4番目のソフトウェアカンパニーだ」と発言しました。方針に変更があったのですか。

デイヨン氏:いえ、方針には変更はありません。当社のロゴマークは、依然としてクラウドの真ん中に「Salesforce」という文字を入れていますよ(笑)。セールスフォースは15年前からクラウド企業としてやってきましたが、当時は比較する企業がありませんでした。しかし、いまでは多くの企業がクラウドをはじめています。ベンチマークする上では、マイクロソフト、オラクル、SAPという会社が対象になってきたわけです。そこで「4番目」だということなんです。

おなじみのクラウドロゴにも変化なし

 マークが言いたかったのは、かつては、クラウドはユニークなビジネスモデルであったが、いまではコンピューティング市場において、クラウドが一般的なビジネスモデルになってきたということなんです。一方で、マイクロソフトとの提携をさらに強固なものにしましたが、その背景にあるのが、マイクロソフト自身がクラウドを重要なビジネスであると認識しているという点があります。だからこそ、我々はマイクロソフトとしっかりと手を組んでいくことに決めたのです。

 クラウドは、オンプレミスとはまったく違うビジネスモデルです。オラクルもSAPも、なかなかクラウドには踏み出せないでいます。それに対して、セースルフォースは、過去16年間に渡って、48回ものアップグレードを行い、サービスを進化をさせています。Lightningのような新たな環境も、クラウドをベースに進化させてきた当社だからこそ、スムーズに導入することができる。オンプレミスでやってきた企業とは異なる点だといえます。

前へ 1 2 次へ

カテゴリートップへ

この連載の記事

アスキー・ビジネスセレクション

ASCII.jp ビジネスヘッドライン

ピックアップ