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最新パーツ性能チェック 第182回

サイズあたりの性能比が突出した「Radeon R9 Nano」でFijiの底力を見る

2015年09月10日 21時00分更新

文● 加藤 勝明 編集●北村/ASCII.jp

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コンパクトなカードの
外観をじっくりチェック

R9 Nanoリファレンスカードの大きさはわずか168mm。Mini-ITXマザーの奥行きよりもわずかに短い

基板裏面。Fury Xのように動作状況をビジュアライズするLEDメーターや、カード上部のRadeonロゴが光るといったギミックは全て省略されている

TDP175Wと低いため、補助電源は8ピン1系統のみ。ただカードの長辺方向にケーブルが出るため、基板の小ささを台無しにしている気もする……

映像出力はDisplayPortが3系統にHDMI1.4aが1系統。これもFury Xなどと共通の仕様となる

選別したGPUと設計の工夫により、動作中のGPU温度は75度に抑えることに成功。R9 290Xよりも20度低発熱である、とAMDは主張している

R9 Nanoの構造。ベイパーチャンバーとヒートパイプを組み合わせたヒートシンクでカードの大部分が覆われている。また、ファンを支えるカバーは金属製だ

ファンとGPU用ヒートシンクを取り外した状態。R9 NanoではVR部にもヒートパイプと専用ヒートシンクを用意することで、高負荷時の発熱に対抗する設計だ

そのR9 Nanoの基板がこちら

クーラーのGPUが触れるベース部分は銅製。2本のヒートパイプが熱を逃がす

 AMDはR9 Nanoを“Mini-ITXの世界で4Kゲーミングを行なうためのGPU”と位置づけている。4Kゲーミングに必要なGPUパワーを得るには大型カードが必要だったが、4096基ものSPとHBMを備えたR9 Nanoなら、極小サイズのゲーミングPCが組めるというわけだ。

 ちなみにR9 NanoはFury無印同様メーカー独自設計モデルも提供される予定だが、当初はリファレンスデザイン準拠のものだけになる。ただワールドワイドでは製品が投入されても、日本国内向けには発売予定なし、ないし未定のものも存在するだろう。

 Fury無印ですらほぼ初期流通分で在庫払底状態であること、今回も報道関係者向けの評価機が非常に少ないなどの点から、R9 Nanoも相当品薄になることが予想される。製品の買い時は慎重に見極める必要がある。

ベンチマーク環境

 今回のテスト環境は以下の通りだ。Fury Xや無印が入手できなかったためGeForceとの対決となるが、今回はAMD自らGTX970のショート基板モデルを指定してきた。R9 Nanoでは全長170mm以下のビデオカードでのパフォーマンスを見てほしい、というメーカー側の強い要望にのっとった形だ。AMDによれば、R9 NanoはGTX970よりも3割程度高性能だという。

 ただそれだけでは一般的なビデオカードとの力比べがしにくいため、MSI製のGTX980のOCモデルとの比較も行なおう。

テスト環境
CPU Intel「Core i7-6700K」(4GHz、最大4.2GHz)
マザーボード ASUS「Z170-A」(Intel Z170)
メモリー Crucial「BLS2K8G4D240FSA」(DDR4-2400、8GB×2)
ビデオカード Radeon R9 R9 Nanoリファレンスカード
ASUS「GTX970-DCMOC-4GD5」(GeForce GTX 970)
MSI「GTX980 GAMING 4G」(GeForce GTX 980)
SSD Crucial「CT1000MX200SSD1」(1TB、SATA3)
電源ユニット Corsair「RM650」(650W、80PLUS Gold)
OS Windows 10 Pro 64bit DSP版
グラフィックドライバー Catalyst15.201.1102(β版)GeForce 353.62

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