みんなのニーズに応えたいから
ハローキティは今年で41周年、マイメロディとリトルツインスターズ(キキララ)は今年で40周年。サンリオの黄金期を築いたキャラクターたちは、アイコンとしてさまざまな商品に変身している。
たとえばマイメロディは超合金のフィギュアになったり、顔をそのまま拡大した形のトートバッグになったり。相変わらず多忙なキティさんは、リコーのプロジェクターになったり、温水式洗浄便座になったりと元気いっぱいだ。
(個人的にはかなり普段使いできる商品が増えた印象がある)
しかし最近の展開はただの商品にとどまらない。ショッピングモールや地方行政など、より大きな単位でのコラボレーションが増えている。
たとえば四万グランドホテルでは今年1月、ハローキティの壁画をあしらった温泉『メルヘンの湯』をオープン。山梨県は富士山型のハローキティを使い「富士見にきて(キティ)~!」と、思いきったプロモーションを展開している。
背景にあるのはインバウンド需要。今年2000万人を超すといわれる外国人観光客をねらい、自治体をふくめて業者が“アイコン”に殺到しているわけだ。
コラボ商品も外国人向けを強化する傾向にある。
たとえばファッションブランドsou・souの『ハローキティ足袋』。あるいは中国人が好きな黄金色のけん玉、黄金色の貯金箱などなど。抹茶味のお菓子のように、売れ筋の定番商品も徐々にそろいはじめているそうだ。
ほかにも地方銀行や百貨店など、本当に幅広い層がサンリオブランドを使っている。中には草加市の歯科医院がマイメロディとコラボレーションしたり、大型建機メーカーがなぜかハローキティを使っている例まであった。
そういうわけでサンリオは本当に攻めっぱなし。キャラクターを扱う会社にしてはおそろしく腰が軽いが、そこにはサンリオの哲学があった。