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アップグレード前後とWindows 10プリイン機で性能チェック

Windows 10は快適か? スティックPC「m-Stick」を手動でアップグレード

文●鈴木誠史/ASCII.jp

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アップグレード完了! 不安定な動作がしばらく続いたが……

 「Windowsをアップグレードしています」という画面が現れたら、あとは待つのみ。Windows 10の起動画面に切り替わるまでおよそ1時間。ダウンロードツールを開いてからここまで4~5時間が経過していたのだった。当然だが、電源供給用のMicro USBケーブルが外れると本体電源が落ちてしまう。アップグレード中は電源が落ちないよう特に注意しておきたい。

 とはいえ容量不足によるアップグレード中断もなかったし、USBメモリーやUSBハブを使う必要もなかった。(時間はかかったが、アップグレード作業そのものは簡単だったといえる。

Windows 10が無事に起動した。が、アクションセンターやウィンドウを開く際の“カクカク”が気になる

 問題はアップグレード後の動作だ。Windows 10の起動直後はウィンドウの描画が遅延が発生しており、いわゆる“カクカク”で動作が“重い”状態だった。アプリは何も使っていないのだが、CPUの使用率がやたらと高い。

 「Windows 8.1に戻すべきか?(※アップグレード後1ヵ月間は8.1に戻すことができる)」と考えているうち数分が経過。するといつのまにかCPUは安定を取り戻しており、描画の遅延もなくなった。Windows 10のアクションセンターや新ブラウザー「Edge」も快適に使える。CPUの使用率が高かった理由は、後述するデバイスのインストールを行なっていたからかもしれない。

Edgeのお絵かきメモ機能も快適だ

 Windows 10 Technical Previewのインストール時は、チップセットやグラフィックス、無線LANなど多数のデバイスが認識されなかった。しかし今回は、起動直後に「デバイスのインストール」画面が自動で現れ、グラフィックスや無線LANは問題なく使えた。

アップグレード後は、CPU性能が向上している!

 Windows 10へのアップグレード前と後で、動作性能に違いはあるのだろうか。「Windowsシステム評価ツール(WinSAT.exe)」を実行し、その結果を比べてみよう。また、あらかじめWindows 10 Home(32bit)を搭載した状態で販売されているMS-NH1-W10でも試してみた。

「Windows システム評価ツール」の結果
 アップグレード前のMS-NH1アップグレード後のMS-NH1MS-NH1-W10
プロセッサ4.95.25.2
メモリ5.55.55.5
グラフィックス3.93.93.9
ゲーム用グラフィックス4計測エラー計測エラー
プライマリ ハードディスク7.156.957.1

 「プロセッサ」と「プライマリ ハードディスク」に差が出た。何度か試したが「ゲーム用グラフィックス」は、Windows 10上では計測できなかった。

 若干ではあるが、Windows 10へのアップグレードによってCPU性能をより発揮させることができている。MS-NH1とMS-NH1-W10ともに同じ数値が出ていることから、数値の向上が誤差でないことがわかる。

 ストレージの読込/書込速度(プライマリ ハードディスク)の差はおそらく容量の空き具合に起因している。最も空き容量が大きかったアップグレード前のMS-NH1(20.9GB)が7.15、MS-NH1-W10(20.2GB)が7.1、アップグレード後のMS-NH1(13.3GB)が6.95となった。

 MS-NH1はアップグレード後、ストレージ空き容量は13.3GBまで減少してしまう。これはWindows 8.1のデータがまだ残っているためだ。「アップグレード後1ヵ月間は8.1に戻せる」というWindows 10の機能を利用しない場合は、ディスクのクリーンアップを実行しよう。実際にクリーンアップしてみると、空き容量は21GBまで増加した。

まとめ

 MS-NH1をWindows 10にアップグレードさせた結果、以下のことがわかった。

  • アップグレードは簡単だが、時間がかかる
  • Windows 10でも問題なく快適に動作する
  • ただし起動直後だけは“カクカク”
  • アップグレード後は空き容量が減る(20.9GB→13.3GB)
  • Windows 8.1に戻せなくなるが、クリーンアップを実行すれば空き容量は21GBに増える
  • アップグレードするとCPU性能が向上する

 なお、MS-NH1の価格は1万9800円。MS-NH1-W10は2万3500円だ(いずれも送料込)。

 最新OSを今すぐ使いたい人には、MS-NH1-W10がオススメだ。が、Windows 10へのアップグレードは2016年7月末まで無償の予定。MS-NH1でアップグレード作業を行なえば3700円の節約になる。浮いたお金で、m-Stickがさらに便利に使えるBluetoothキーボードなどを買うのもいいだろう。

 「使い慣れたWindows 8.1をしばらく楽しんでからWindows 10を使う」ことも可能だ。快適に動作することもわかったので、無償アップグレード期間中にm-Stickを買うなら、MS-NH1をオススメしたい。

マウスコンピューター/G-Tune
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