鹿児島にユルくて熱いつながりを
コミュニティーの多くはインターネットで全国的につながっており、各地で勉強会を開くことで活動を保っている。ただ、新しい技術が出てきたときは盛り上がるが、継続的にモチベーションを保ってイベントを開きつづけるのは難しい。
そのとき、さくらハウスのように役割がわかりやすい場所が中心にあることで、イベントを開く敷居は下げられるのではないか、というわけである。
パーティーのパネルディスカッションでコミュニティーをめぐる熱い議論が展開される中、さくらインターネット田中邦裕社長は「コミュニティーをもっとユルくとらえていいんじゃないか」とも話していた。
「会社はフォルダーのようなものだが、コミュニティーはタグのようなもの。名乗る人がいなくなったらなくなるくらいにユルく認識しておいたほうがいいんじゃないかなあと。名乗ったらコミュニティーだし、飲み会をすればイベントだろうし、それくらいにユル~くとらえるべきじゃないかと」
ユルいつながりという意味では、たとえばJAWSはツイッターのハッシュタグで全国の会員に質問を投げる仕組みがある。こうした仕組みがコミュニティーの核で、イベントはやりたいときにやるくらいでいいのでは、というわけだ。
社長自身、クラウド事業としては宿敵であるAmazonWebServiceのユーザーイベントに参加して「Amazon最高ー!」と叫んだ経験がある。「私がAmazonの社員になることはありえないけど“タグ”はいくつ付いていてもいい」と社長。
一方、さわると声が出る抱き枕『痛すぽ』開発元ジョイアスの内村康一代表は、コミュニティーは熱量が大事なんだと熱かった。
例に出したのはなぜかコスプレだ。
「福岡はコスプレのコミュニティーが盛んですが、いまは下火なんですよ。コミュニティーはおなじ方を向いて集まるんですけど、ボウリングとかカラオケとかをやっていて、でもそれはコスプレである必要はなくて、薄いんですよ。一言でいえばこだわりなんですけど、共通認識は薄い。この人との戦闘シーンをやってビデオに撮りたいとか、そういうモチベーションがないと低空飛行になりますよね」
ちなみに内村代表自身は地元・鹿児島で、開発言語Node.jsのコミュニティーを主催している。「イベント駆動+非同期I/Oで、同時リクエストが多い場面でも高速・軽量・効率的な運用ができるんです」と、ものすごい勢いで語っていた。
日本Androidの会 鹿児島では、熱い層だけが残っているという。
同会ではコミュニティーとNPOが機能として分かれており、イベントをしたいというときは、NPOが支援するという仕組みになっている。「ただ飲み会をやりたい」という層は別のコミュニティーに行く、という流れがあるらしい。
一方、おなじパネルディスカッションで、地方のスタートアップが抱える課題も俎上にあがった。