4K動画や最大960fpsスローモーション動画
を可能とした「Exmor RS CMOSセンサー」
新機種の最大の特徴は撮像素子だ。採用されているセンサーは1型の積層型CMOSセンサー「Exmor RS CMOSセンサー」。約2020万画素という有効画素数こそ先代のRX10と同じだが、センサー自体はまったくの別物で、4K動画の撮影も可能になっている。
従来の裏面照射型CMOSセンサーでは、同一面上に画素部分と処理回路を配置していたが、「Exmor RS CMOSセンサー」では画素と処理回路を分離し、積層構造で重ねることにより画素と回路それぞれ独立して機能に特化させることが可能になった。
センサーの裏面にはDRAMが搭載され、出力された信号が滞らないようになっており、これらにより従来の1型裏面照射型CMOSセンサーに比べて約5倍以上のデータ読み出し速度を実現している。
読み出し速度が速くなったことで最高1/32000秒の高速な電子シャッターや秒間14コマの連写、ローリングシャッター現象を低減することが可能になっている。
積層型CMOSセンサー「Exmor RS CMOSセンサー」を採用することで可能になっているのが4K動画の撮影機能だ。AVCHDでの記録のほか、プロ用の4K/HDフォーマット「XAVC」を民生用途にした「XAVC S」にも対応しており、ビットレートが高く圧縮ノイズの少ない高解像度な映像を記録することができる。
動画撮影時にはブラックレベルやガンマ、カラーモードなどのパラメーターの調整や変更が可能なピクチャープロファイル機能を利用できるほか、ダイナミックレンジ1300%の「S-Log2ガンマ」も利用可能だ。
タイムコードや外部レコーダーへの非圧縮同期記録など、プロ仕様の機能が満載されている。
最大960fpsのスーパースローモーション撮影も可能になった。撮影フレームレートは960fps/480fps/240fpsから、記録フォーマットは60p/30p/24pから選択できる。
スーパースローモーション動画は撮影モード「HFR」に設定することで撮影が可能。カメラを被写体に向けてスタンバイモードにしてから動画記録ボタンを押すと記録される。
このスタンバイモード時にはズーム操作やAFが駆動しなくなるので、画角やピント位置を決め込んでから記録する必要がある。上の動画は240fps/60P 50Mの設定で撮影。4倍のスローモーションになっている。
なお、記録メディアにはSDメモリーカード、もしくはメモリースティックデュオを使用するが、4K動画やスーパースローモーション動画の撮影には転送速度の速いメディアが必要。
4K動画のXAVC S記録ではClass10以上のSDXCメモリーカード、スーパースローモーション動画の100Mbps記録時にはUHS-I(U3)のSDXCメモリーカードが必要だ。
このほか、撮りたい瞬間を逃さないように動画記録ボタンを押してから記録を開始する「スタートトリガー」と、動画記録ボタンを押した瞬間から過去を記録する「エンドトリガー」も備わっている。
(次ページに続く、「実写撮影サンプルで画質をチェック!」)