2013年11月に発売され、話題となったデジカメといえば、ソニーの「サイバーショット RX10」(以下RX10)だ。
同社の高級コンデジ「RX」シリーズとして登場したRX10は、1型という大型の裏面照射型センサー(Exmor R)を採用しながら、35mm判換算で200mmの大口径の高倍率ズームレンズを搭載し、かつバッテリー込みで813gという軽さを実現し、話題を集めた。
そのRX10の新モデルとなるのが、8月上旬に発売された「サイバーショット RX10 II」(以下RX10M2)である。広角24mmから望遠200mmまでの光学8.3倍、カールツァイス「バリオ・ゾナーT*」レンズはズーム全域で開放F値2.8と明るいのが魅力だ。
本体サイズは、幅129×奥行き102.2×高さ88.1mmで、バッテリーとメディア込みの質量は約813g。ソニーストアでは15万9880円(税別)で発売されている。
「ネオ一眼」よりもやや大きい本体
外観はRX10からの変化は少なく、見た目の違いは側面にある「4K」の文字と機種名のエンブレム程度。見分けはほとんどつかない。
高倍率ズームレンズ一体型のデジカメで、見た目はいわゆるブリッジカメラ、富士フイルムでは「ネオ一眼」と呼ばれる形状だが、RX10M2はちょっと大きい。多くの高倍率ズーム一体型のデジカメはあくまでもコンデジの類に含まれるが、センサーサイズが1型な点や、ズーム全域で開放F値2.8と大口径のレンズを採用しているため、小さめのデジイチ並の大きさがある。
上面には左にモードダイヤル、右手前側には操作しやすい位置に露出補正ダイヤルが備わっている。
絞りの操作はレンズから行なう。ズームはシャッターボタンと同軸に配置されたレバーのほか、ズームレンズ鏡筒を直接回しても操作可能だ。
ただし、レンズ鏡筒を回しても物理的にズームが動くわけではなく、電動ズームのスイッチになっている。レンズ鏡筒を回すズームは通常のズーム動作のほかに、素早く動くクイックと決まった焦点距離毎に一旦止まるステップズームが選択可能だ。
背面液晶は上下のチルト機構を持つ。上方向には約107度、下方向には約42度傾けることが可能だ。
背面液晶とEVFは自動切り替えが可能で、アイレベルに構えて顔を近づけると自動的に切り替わる。
しかし、背面液晶を上方へチルトさせて腰高くらいで構えていると、衣服などの腹部に反応してEVFに切り替わってしまうことが多々あり、腹部から少し離すように構える必要がある。
機能面を理解した上で使ってみるとわかるが、これはあえて小型化しようとはしていない感じだ。静止画動画を含め、多くの機能や大口径ズームをちゃんと扱うためのサイズだと思える。
光学8.3倍のズームレンズは広角側が24mm相当、望遠側が200mm相当。この範囲を安定して使おうと思うなら、やはりこのくらいのサイズがあったほうが安心だ。
24mmから200mmまでの光学8.3倍ズームレンズは全域で開放F値がF2.8と明るい。デジイチでは、広角ズーム(例えば16-35mm/F2.8)、標準ズーム(例えば24-70mm/F2.8)、望遠ズーム(例えば70-200mm/F2.8)の全域開放F値2.8のレンズを合わせて、プロ御用達の「大三元レンズ」と呼ぶことがあるが、この内の2本分をカバーできるスペックだ。
大きくても当然だ。高倍率のズームはマクロ機能が貧弱な場合も多いが、「RX10M2」で採用されているカールツァイス「バリオ・ゾナーT*」は広角側で約3cm、望遠側で約25cmまで(共にレンズ先端から)の接写が可能だ。
(次ページに続く、「新しいExmor RS CMOSセンサー」)