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ゴルフ業界に恩返し!ギークスが手がける新規事業の舞台裏

ほとばしるゴルフ愛から生まれたフリマアプリ「ゴルフポット」

2015年08月22日 11時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp 写真●曽根田元

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レッスンプロの検索サービスからフリマアプリへ

 こうした新規事業開発本部の中でゴルフ業界向けのサービスを立ち上げることになった池田さん。実は最初に考えていたのは、ゴルフをうまくなりたい人がレッスンプロを探すサービスだったという。

 「通常、レッスンプロを探す場合は人を探すよりも家の近くのレッスンスクールを探すことが一般的で、スクールでどのレッスンプロに当たるかはわかりません。何回か通うことで、自分に合ったレッスンプロを見つけることができるのですが、僕はその過程がやや無駄だと思っていました。どうせならスマホからダイレクトに探せるようにし、口コミ評価で、ある程度判断できるサービスはどうかと考えました」

 しかし、レッスンプロの検索サービスは、すでに他社が始めていた。そのため、池田さんは「メルカリ」や「フリル」といったフリマアプリに注目し、ゴルフ用品を安価に売り買いできるゴルフに特化したフリマアプリを考えた。既存のオークションサービスに不満を持っているユーザーを巻き込むのが目的だ。

 「ゴルフを始める時のハードルの1つはお金。ゴルフクラブを購入したり、練習場に行ったり、全部お金が関係します。中古品を買うという考え方も根付いてきたので、せめてゴルフクラブを安価に手に入れやすくできないか、と考えて生まれたサービスがゴルフポットです」

 こうして池田さんは、フィリピンセブ島でのプログラミング研修「geechs camp(ギークスキャンプ)」を経た若手エンジニアを中心としたメンバーでプロジェクトを組んだ。ベテランエンジニアの指導のもと開発が行なわれ、2015年1月にめでたくゴルフポットがリリースされた。

とにかく簡単に出品!ゴルフに特化した機能も充実

 既存のオークションと違い、とにかく簡単に出品でき、撮影補助機能で写真撮影も失敗しない。「当初のヤフオクは写真が3枚しかアップできなかったんですが、ゴルフクラブって写真撮るところいっぱいあるんです。ヘッドだけで3箇所あり、シャフト、グリップ、付属品など、3枚にどうやって収めようか、僕もいつも悩んでました」(池田さん)とのことで、ゴルフポットでは複数の写真を登録できる。

 現在はあくまでフリマアプリで、対象もどちらかというと既存のゴルファーがターゲット。しかし、今後はより数多く機能を載せ、入門者の敷居を低くしていくという。メディアとのコラボで、アプリ内でゴルフ雑誌がチラ見できるようになるほか、欲しい物投稿や初心者向けの購入相談チャット機能も追加する予定。練習場やコースでアンケートを取る中で、初心者はクラブの選び方がよくわからないという声が多く挙がったからだ。

撮影補助機能で写真撮影も失敗しない

初心者が質問を投げられるチャット機能も搭載

 「チャット機能については、プロジェクトメンバーでゴルフ経験者が私だけでしたので、ゴルフを始めるにあたって、どういう機能が欲しいかを聞いてみると、池田さんのような詳しい人に質問できるような機能が欲しいという答えが返ってきたのがきっかけでした(笑)」

 池田さんのこだわりの極めつけは、7月にリリースしたばかりの「golfpot配送」だ。golfpot配送ではゴルフポット側で商品の発送を代行するサービスで、梱包資材を発送してくれるだけでなく、国内であれば一律料金で配送してくれる。「ゴルフクラブって特殊な梱包資材が必要ですが、golfpot配送を使えば専用のダンボールが自宅に届きます。出品者はクラブを梱包資材に入れ、ドライバーに渡すだけで簡単に発送できます」と池田さんはアピールする。もちろん、すでに箱を持っている人は、梱包した商品をドライバーに渡せばよい。ゴルフに特化することで、売りやすさと買いやすさを追求し、敷居を下げたのがゴルフポットの魅力だ。

golfpot配送では専用のダンボールにクラブを入れるだけでOK

いろいろやっていくけど、最後は「ゴルフ」でまとまっていく

 7月時点での会員数は1万2000人。決して多くはないが、当初想定していた30~50代のゴルファーが着実に増えている状況だという。「ゴルフ業界って意外とこじんまりしているので、いろんなところに挨拶に行くと、けっこう知ってくれています」と池田さんは語る。

「ゴルフ業界は意外とこじんまり。けっこう知ってくれています」(池田さん)

 さらに11月にはリアルのフリマイベントを開催する予定で、2015年問題に危機感を感じているゴルフ関係者と共同でゴルフ界全体を盛り上げる企画を行なう。「フリマ、 メディア連携、リアルイベントなど、いろいろ多角的にやっていきますが、最終的にはゴルフでまとまっています。ゴルフやるなら、『とりあえずゴルフポットを使えば、なんとかなる』ような状態にするのが最終的な目標です」と池田さんは語る。

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