カナダの研究者が社会実験として行っていたヒッチハイクロボット「Hitchbot」は8月2日、アメリカ大陸横断を始めてから2週間で破壊された。
Hitchbotはカナダ・マクマスター大学などいくつかの大学の研究者が社会学的な実験として行っていたロボット。子供くらいの大きさの円筒に模擬的な手足は付いているが、自分で移動する機能は持たない。どこに行きたいかをしゃべり、誰かの車に載せてもらいヒッチハイクで移動する。
顔に相当する部分にはLED表示、太陽電池とバッテリーにより携帯電話網を通して自分がどこにいるかを通知し、定期的に写真を撮影してInstagramにアップロード、Twitterにつぶやく(実際につぶやいているのは位置と画像を受け取った研究者の人だが)。簡単な会話もでき、内蔵バッテリーが低下すると充電を依頼、トリビアクイズでドライブ中の話相手にもなるという。
カナダ横断(約2週間)やドイツ周遊旅行(約10日間)に成功しており、拾った人は一緒に野球を見に行ったり結婚式に参列したり、移動にしても車だけでなく船や飛行機に乗るときもあるなどユニークな人の行動を記録していた。
全米横断を目指して7月17日にマサチューセッツ州をスタートしたが、8月1日まではヒッチハイクで移動していたが、フィラデルフィアにおいて行方不明となり、8月2日に修理不可能なまでに破損した状態で発見された。この研究はロボットの研究ではなく、“人はロボットをどう扱うか”という研究なので、ある意味それなりの結果が得られたとも言える。研究者は次のHitchbotを制作して再実験を試みるようだ。