格安SIMに限った話ではなないが、最近、「バンド3」で使える端末が増えている。バンド3とは何かというと、NTTドコモが現在提供中の4つのバンド(周波数帯)のうちのひとつである1.7GHz帯(1800MHz帯とも言う)のこと。東名阪地域の都市部で提供され、比較的新しい端末が対応するため、速度的に有利という声もある。
そこで、実際にバンド3だけに対応する端末を持ち歩き、どこまで使えるか試してみた。
海外端末はバンド3対応が比較的多い
まず、なぜにバンド3対応端末に注目するかというと、海外からの端末にバンド3対応が急激に増えているため。そして、LTE自体のパフォーマンスも(利用する周波数帯域が広い分)高い。
ドコモのネットワークはバンド1(2GHz)、3、19(800MHz)、21(1.5GHz)で提供されており、1がメインでエリア構築されているが、それだけではエリアも速度も不十分で、山間部や都市部なら19、速度も重視するならば周波数の帯域の広い3や21に対応しているといいと言われている。
その速度重視の2つのバンドのうち、バンド21についてはドコモで販売される端末以外はほぼ対応しないに等しく、iPhone 6/6 Plusも対応していない。そのため、格安SIMで使うような端末で速度重視となると注目されるのがバンド3対応になるのだ。
注目の端末でバンド3対応といえば、マイクロソフトの「Surface 3」がある。本体にLTEモデムを内蔵し、SIMカードを入れれば本体だけで通信が可能というWindowsタブレットだ。
ワイモバイルの端末として回線とセット売りされることもあり、イー・モバイルの時代からバンド3でサービスを提供していたワイモバイルとの相性は抜群。しかし、ドコモのバンド1と3に対応していることで、ドコモ回線でも使い勝手がいい可能性がある。
また、国内にベース機種を持たないようなSIMフリー機でもバンド3対応をよく見かける。海外でも広く使われている周波数帯のため、対応が進んでいるのだ。格安SIMで活用するためのSIMフリー機を検討するなら、バンド3の対応は確認したいポイントだ。
格安で入手できるバンド3対応端末は
旧イー・モバイルが見逃せない
バンド3対応端末として、旧イー・モバイルの端末も見逃せない。一時期のイー・モバイル端末は国内向けもSIMフリーで提供していた時期があり、そのままでドコモのネットワークを使った格安SIMが使え、通信できる。
イー・モバイルのLTEモバイルルーターは中古品の相場も安く、ドコモでうまく活用できればお買得。具体的には「GL01P」から「GL06P」までの6機種がドコモのネットワークの格安SIMで使え、USB接続タイプの通信アダプター「GL03D」以外はドコモの1.7GHz帯のLTEで使えると言われている。
筆者が試したのはモバイルルーターのGL04PとUSBアダプタータイプのGL03D。秋葉原の中古店で安値放出されることもあり、付属品がない、傷が多いなどの若干の難アリ品に遭遇すれば驚くほど安い値段で入手することもできる。
GL03Dは前評判どおりドコモのネットワークではLTEにならず、ずっと3Gのまま。同じ場所でGL04PがLTEを掴んで高速通信していてもGL03Dは3G通信のみ可能だった。
そこで、GL04Pと格安SIMのIIJmioを組み合わせ、バンド3の速度測定を行なってみた。
(次ページへ続く、「速度を計測! 下りはまだしも上りは厳しい」)

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