東芝の13.3型モバイルノート「dynabook R63」を使いはじめてはや半年(関連記事)。公称19時間というバッテリー駆動時間は健在で、外出時は常に持ち歩き、外で原稿を書き、家で原稿を書き、移動中にも原稿を書く。若干恨めしい気持ちになるほどだ。
そんなある日、仕事の都合で4K動画を扱わなければならなくなったのである。作業としては4Kカメラで4K動画を撮影し、それを簡単に編集するというもの。カメラはソニー製で、ビデオフォーマットは「XAVC S」となる。
この編集作業をdynabook R63でやることにした。まずは、コーレルのビデオ編集ソフト「VideoStudio Pro X8」(直販価格1万2441円)を導入。
第5世代Intelプロセッサー(Broadwell)に最適化されているというこのソフトは、4Kのハードウェアアクセラレーションが利用でき、従来の「VideoStudio Pro X7」に比べて400%以上のパフォーマンスアップが可能とのこと。
もちろんdynabook R63のCPUはCore i7-5500U(2.40GHz)なので、第5世代となる。
さらに、ソニーが採用する4Kビデオコーデック「XAVC S」に対応しており、メモリーカードをそのまま読み込んで編集できる。
やるべきことはカット編集で10分の動画を2分にまとめること。10分で3.8GBの4K動画ファイルを読み込んで、カットしたりつなぎ合わせるぐらいはサクサクできる。編集が終わったら動画を書き出すわけだが、これには再エンコーディングが必要で、時間がかかる。
ちなみに、4K動画はAVC/H.264以外にMP4(XAVC S)でも書き出せるが、XAVC Sの4Kは60pのプロファイルしか用意されていない。元のファイルは30pだが、60pで書き出しを開始した。
2分の動画を書き出すのにかかった時間は約21分。約10倍の時間がかかる。再エンコード処理中はファンがフル回転するし、本体も多少熱くなる。正直、これまでdynabook R63がファンをフル回転させて頑張っている姿は見たことがないし、本体はいつもひんやりとした手触りだったので、意外な姿を見てしまった感じだ。
VideoStudioを使えば、テロップ入れたり、モザイクかけたり、シーンの切り替え効果をつけたりなど、かなりゴージャスなビデオができそう。ただし、今回は時間がなかったので、多少の編集は試したものの、それをビデオとして書き出すまではしなかった。
さて、ここまではいいのだが、dynabook R63の画面解像度は1366×768ドット。まったく4K解像度には足りない。
このままでは編集した動画をフルサイズで見ることはできない……しかし心配は無用。実はdynabook R63は外部HDMIなら4K出力が可能である。
ということで、東芝の4Kテレビに接続し画面出力してみる。接続直後はフルHD解像度であったが、画面解像度の設定を見てみると3840×2160ドットが選択可能。そこでこの解像度を設定すると見事4K解像度で表示された(冒頭写真)。
スマホもデジカメもビデオカムコーダーも、いよいよ4Kが当たり前の時代に突入してきた。もう少ししたらPCも4K解像度のディスプレーがあたりまえになるのかもしれないが、現状は最低限、4Kビデオが読み込めて、編集できるくらいの性能が求められているのかもしれない。
唐突な4K動画編集といった作業にもこたえられるdynabook R63を見直した瞬間であった。