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僕らが知らないGoogle マップ 第1回

Google マップ日本登場10周年

最初のGoogle マップの世界はアメリカとイギリスだけだった!?

2015年07月15日 09時00分更新

文● 西田宗千佳 編集●飯島恵里子/ASCII.jp

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2005年6月、API公開時のGoogle Blog

予想外の「ハック」からAPI公開へ

 一方、スタート時には想定していなかったことも見えてきた。オンライン上で使う地図のニーズはたくさんある。不動産情報や犯罪情報などを地図上にマッピングすれば、簡単に独自の地図が出来上がる。いわゆる「マッシュアップ」だ。現在はあたりまえのように行われ、不動産などのビジネスでは欠かせない存在になっているが、2005年当時、グーグルはそうした使い方を想定していなかった。

 だがGoogle マップの公開が始まると、多くの人々がGoogle マップの構造を独自に解析し、自らの持つ情報と組み合わせて表示するようになっていった。要は「ハック」したのだ。

 それを見てグーグルは、方針を決めた。過去の地図系サービスでは、そうしたハック行為を禁止し、厳密な利用許可許諾を取る方向のものが多かった。だがグーグルはそうではなく、正式にAPIを整備して公開し、多くの企業に使ってもらう方向へと舵を切ったのである。これが、現在「Google マップAPI」として公開されているものだ。

 Google マップのビジネスモデルは、まずはグーグルの検索ビジネスに寄与し、検索価値を高めることだった。その後、地図に絡む広告も出るようになっていった。すなわち広告モデルだ。そこは今も変わりない。だが一方、Google マップを一つの「道具」と捉え、適切に使ってもらう仕組みを整えたことで、そのこともビジネスへと変わっていった。

 Google マップは、小規模な利用ならば無料で行えるものの、大規模に利用する場合、グーグルと利用ライセンスを交わし、アクセス量に応じた費用を払うことになっている。

 気軽に使えて、さらにビジネスにもきちんと使える。そうした体系が整備されると、Google マップは同社のビジネス基盤であると同時に、ネット上の「基幹地図情報のひとつ」として、急速に認知度を高めていくこととなった。


(次ページ「「独自すぎる」がゆえに進化した日本でのGoogle マップ」へ続く)

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