Pepperに力仕事はムリ?
現状Pepperに依頼できる業務は、ティッシュ配り、受付スタッフ、販売スタッフ の3種類。依頼内容によってアプリなどをカスタマイズされたPepperを雇用できるようだ。
ティッシュ配りの際、Pepperは腰部分に専用のポケットティッシュ入れを装着。そこからPepperがティッシュを掴み上げ、目の前にいる人に手渡してくれる。ただ、実はPepperには握力がほとんどない(およそ200g程度)ため、ティッシュを掴み上げるのに失敗することもあるようだ。アームの速度も鈍く、業務そのものの効率はかなり低くなりそう。人目を惹くためと割り切って雇用する企業がほとんどだろう。
一方で、受付スタッフ・販売スタッフとしては、より実用的な働きを期待できるかもしれない。もともとPeeperを企業の受付として活用したいという声は大きく、アプリの開発も盛んに行なわれている。今年2月に実施されたアプリ開発コンテスト「Pepper App Challenge 2015」でも、かなり完成度の高いアプリを見ることができた。さらに販売スタッフとしては、すでにネスレ日本が「ネスカフェ」コーヒーマシンの販売スタッフとしてPepperの導入を開始している実績がある。問題は、短期間だけ雇用できるPepperがどの程度顧客向けにカスタマイズされるか、という点だろうか。ハード的にもソフト的にも凝ったカスタマイズは難しいはずなので、ソフトバンクがどれだけ魅力的な基本アプリを用意できるかが焦点となってくるだろう。
将来的にPepperを雇用できる業種は増えていくことが予想されるものの、先述の通り、Pepperの腕には握力がほとんどないというハードウェア的な制約がある。想定されているのはあくまでコミュニケーションの表情付けとしての利用で、本来はティッシュ配りのような、ものを持つ、掴むといった物理的なアクションには向いていないのだ。今後改良が加えられることはあるかもしれないが、しばらくは受付・販売のような派遣がメインになると思われる。
現在はソフトバンクと取引実績がある企業のみ予約可能
アルバイト派遣の仮予約はすでに開始されており、現状はソフトバンクとの取引実績がある法人、クレジットカードを保有する法人に限定しての募集となっている。今後は徐々に対象を増やし、提供地域についても拡大する見込みのようだ。また、記者発表会ではソフトバンク代表取締役社長の孫正義氏が「まずは10台から」と発言しており、配備されるPepperの数も増えることが予想される。
近い将来、全国各地でアルバイト派遣されたPepperを見ることができるようになるかもしれない。