2015年6月に発売になったばかりの「X-T10」は、富士フイルム「X」シリーズの最新モデルだ。一眼レフスタイルを採用する人気機種「X-T1」の雰囲気を踏襲するクラシカル一眼レフ風のミラーレス機である。
精悍な雰囲気を持つX-T1とは若干方向性が変わり、レトロな方向へデザインがシフトされている。量販店での販売価格は標準ズームキットで約13万円だ。
インターフェースはダイヤルを中心にしたマニュアルライクな方式。本体上面、軍艦部右側にはシャッターダイヤルや露出補正ダイヤル、左側には連写設定やアドバンスフィルターの切り替えが行なえるドライブダイヤルが備わっている。
また、前面と背面の両方にコマンドダイヤルが備わりフロントコマンドダイヤルはシャッタースピードを1/3単位で微調整したり、ファンクションボタンとしても機能する。リアコマンドダイヤルでは絞りリングのないレンズでの絞り操作を行なったり、マニュアルフォーカス時のアシスト機能の呼び出しができる。
撮像素子はAPS-Cサイズ、ローパスフィルターレスで有効画素数約1630万画素の「X-Trans CMOS II」センサーを採用し、画像処理エンジン「EXRプロセッサーII」が組み合わされる。
最高感度はISO 51200まで、起動時間0.5秒、シャッタータイムラグ0.05秒、撮影間隔0.5秒など、基本スペックはX-T1を踏襲、AFは最速0.06秒とX-T1を上回っている。
感度別撮影サンプル
感度別に画像を見てみると、ノイズはISO 800から出はじめてはいるがそれほど気にならない。ISO 6400を超えるとノイズが目立ち、ISO 12800あたりからディテールへ影響しはじめる。ISO 25600ではノイズが多いものの、ディテールへの影響は少ないが、ISO 51200では細部が潰れいる箇所も出てくる。それでもISO 12800あたりまでは実用的な画質だ。
ファインダーを覗いて撮ることが楽しいデジカメ
新しく搭載される「新AFシステム」は49点のフォーカスエリアから任意の1点を選ぶ「シングルポイント」、77点のフォーカスエリアから3×3、5×3、5×5のエリアを選ぶ「ゾーン」モード、77点のフォーカスエリアから自動的にエリアが選択される「ワイド/トラッキング」モードから構成されている。
さらに「クラシッククローム」をはじめとした11種類のフィルムシミュレーションやエフェクトが簡単に表現できるアドバンスフィルター。インターバルタイマーや多重露出、フルHD動画の撮影機能なども備わっている。
レンズキットで14万円はちょっとお高いが、ボディーのみで約10万。同じ一眼レフスタイルを採用するX-T1が、ボディーのみでも15万円を超えることを考えると、ほぼ性能は同じX-T10はかなりお買い得に感じる。
特に一眼レフスタイルではないXシリーズ(EやA)を所有している人は、すでに持っているレンズを使うことができるのでかなり魅力ではないだろうか。
クラシカルでマニュアルライクな雰囲気と操作性、ファインダーを覗いて撮影することが楽しく感じられる。大型のEVFなどを採用するX-T1ほど本格的ではなくても、機能面では劣ることは少なく、雰囲気を味わいながらも本格的な撮影までこなせる洒落たデジカメだ。
(次ページに続く、「ニコン Nikon 1 J5」)
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