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未来を描くスタートアップとマイクロソフトのストーリー 第3回

しくみデザイン、REAL SAMURAI、UNCOVER TRUTHで特別座談会

マイクロソフトと3社で語り合ったスタートアップの生き様

2015年06月22日 07時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp 写真●曽根田元

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ゲームから教育への転身と、“真実を明らかにする” 使命

増渕:次は、神戸のREAL SAMURAIさんです。FlashコンテンツをHTML5にリアルタイム変換するエンジンを開発しています。

京保:REAL SAMURAIは2009年創業です。ガラケー向けのFlash LiteをHTML5に変換する「RS Engine」で、KDDI∞Labo(KDDIムゲンラボ)1期生に選ばれたのがきっかけです。

REAL SAMURAI 代表取締役 京保雄一さん

増淵:REAL SAMURAIさんは、創業から2~3年ほどはどっぷりゲーム業界だったんですよね。

京保:はい。そして2014年にVCからマイクロソフトをご紹介いただき、砂金さん、増渕さんのアドバイスを基にターゲットをゲーム業界から教育業界にシフトして、今に至っています。

増淵:教育業界にもFlashコンテンツがいっぱい眠っていますし、今後はデジタル教科書のニーズも見込めますので。

砂金:ちなみに、ゲーム業界では儲ってたんですか?

京保:アプリが来るまでは、けっこう良かったんですが……(笑)。だから、教育業界を紹介いただいて本当に助かりました。Macromedia Flashで作った教材を、スマートフォンやタブレット向けに変換できます。教材数千本を1~ 2カ月で変換して納品できること、またPC向けに作られた重いコンテンツをタブレット向けに軽量化できることが、われわれの強みです。

増淵:次はUNCOVER TRUTHの小畑さんです。

小畑:はい。この会社名は“真実を明らかにする” という意味です。僕らの役割は、Webの世界で“真実”を明らかにし、便利で使いやすくて、ユーザーが満足できるサイトを創出すること。当社では「USERDIVE」というインサイト分析ツールを提供して、お客様が運営するWebサイトのUI/UX改善をお手伝いしています。

増淵:USERDIVE、すごいツールですよね。

小畑:ページ単位で、ユーザーがどんな操作をしているか、どこが見られているかがヒートマップでわかります。それだけではなく、フィルターをかけて、商品を「買った人」「買わない人」のどこにギャップがあるのかを調べられます。たとえば「購入した靴を返品した人が、サイズに関する記載を見つけられなかった」みたいな事象が起きていることを、発見できるんです。

砂金:既存のサイト分析ツールとは、どこが違うんですか?

小畑:「Google Analystic」や「AdobeAnalytics」といった従来のWebサイト分析は、アクセスログをベースにサイトで何が起きているのかを定量化し、そこから問題点を導き出して、経営のKPIと突き合わせながら改善施策をとることになります。ですが、「画像の解像度が粗かったのでは」「説明文が足りなかったのでは」といった仮説は、結局「勘と経験」頼みなんです。

増淵:偉い人の意見が通っちゃう、みたいな世界ですね。

小畑:そうです。USERDIVEの場合は、事実に基づいたデータをむき出しにすることで、勘や経験に頼らず、打率の高い改善施策が簡単に出せます。これにより、Webサイトを、ユーザーの使い方に最適化した「ユーザー中心設計」に変えられるんです。

UNCOVER TRUTH COOの小畑陽一さん

(次ページ、スタートアップのピンチはやはり「お客様」)


 

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