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山谷剛史の「アジアIT小話」 第100回

Wiiっぽいゲーム機に進化版!? 中国老舗メーカーの7000円学習パソコンを試す!

2015年06月04日 12時00分更新

文● 山谷剛史

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体感ゲーム機能も満載だが
中途半端な印象……

ヨガマットを必要とするゲーム

ヨガマット(別売)を必要とするゲーム

付属のコントローラーで遊べる体感ゲーム

付属のコントローラーで遊べる体感ゲーム

 ゲームに関しては、十字キーとABXYボタンを活用するゲームと、振って遊ぶゲーム、それにヨガマットや光線銃を使うゲームが用意されている。

 中国のコンテンツプレーヤーのセオリーに従い、合計して最初から数十のゲームコンテンツが用意されており、追加で遊ぶことはあまり考えられていない。

 とはいえ、ヨガマットは本体に付属しておらず、専用のゲームを起動しても、ヨガマットや光線銃を用意してくださいといったきり画面は進まない。誰か別に専用のヨガマットや光線銃を買う人はいるのだろうか。探して購入するのはすごく大変そうだが……。

テニス(左)と卓球(右)はコントローラーを振るタイプの体感ゲーム

雪合戦という、なかなか珍しいゲームもある

雪合戦という、なかなか珍しいゲームもある

 振って遊ぶゲームについては、テニス、ボクシング、卓球、雪合戦が用意されている。どう振ったかというアナログ的な判断ではなく、振った/振らないの判断しかできないようだ。

 グラフィックは3Dに対応するものの、スーパーファミコン以上、初代プレイステーション以下だろうか。Wiiのニセモノで有名な「威力棒Vii」よりはマシではあるが、今の時代からすると、スマートフォン向けのゲーム以下である。

「特殊任務」というオリジナルゲーム。だが、内容はほぼ「魂斗羅」である

「特殊任務」というオリジナルゲーム。だが、内容はほぼ「魂斗羅」である

 また十字キーを使ったゲームでは、中国で定番のトランプゲームや将棋、テトリス、Zooma、パズルボブルが遊べる。また、小覇王の伝統か、ファミコンの魂斗羅やバトルシティーがなぜか遊べる(ついでに、オリジナルのキレイな魂斗羅っぽいゲームも用意されている)。いずれにしろ、中国人の大人が懐かしむゲームが一通り揃っている。

謎の社歌が聞ける音楽再生機能もあり!

MP3プレーヤー。自作の開発部の歌が聞ける

MP3プレーヤー。自作の開発部の歌が聞ける

カラオケもできるが、会社(開発部)の歌だけ……

カラオケもできるが、会社(開発部)の歌だけ……

 ほかにも本製品では、MP3プレーヤーと、カラオケソフトが用意されている(だからこそマイクコネクターが用意されている)。MP3ファイルと歌詞ファイルを用意すれば連動して流れる。

 ちなみに、最初から用意されているのは「外星科技15周年慶典歌曲」という謎の歌。この外星科技というのは、ファミコンが1994年を最後に新規タイトルを出さなくなった後も、ドラゴンクエストやファイナルファンタジーの最新作を中文化してファミコンに無理やり移植したのをはじめ、非公式にさまざまなソフトを中国で出しつづけたメーカーである。

 唯一本体に入っている単体の音楽が同社十五周年記念曲というのだから、中国人がつかまされたらどんな気持ちになるのだろう。筆者はB級製品が好きなので大いに結構なのだが(ただもう買うことはないだろう)。

 さて、今回でアジアIT小話の連載は100回を迎えた。アジアがアツイ!と、中国ほか、ベトナム・タイ・インドネシア・インドなども紹介したが、やはり中国は、アメリカンナイズされておらず、しかも試行錯誤を繰り返しながらさまざまな製品をリリースしていて面白い。

 引き続き、中国の話を中心にいろいろ書いていきたい。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。


山谷剛史(やまやたけし)

著者近影

著者近影

フリーランスライター。中国などアジア地域を中心とした海外IT事情に強い。統計に頼らず現地人の目線で取材する手法で,一般ユーザーにもわかりやすいルポが好評。書籍では「新しい中国人~ネットで団結する若者たち」(ソフトバンク新書)、「日本人が知らない中国インターネット市場」「日本人が知らない中国ネットトレンド2014」(インプレスR&D)を執筆。最新著作は「中国のインターネット史 ワールドワイドウェブからの独立 」(星海社新書)。

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