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NTT Comが進めるグローバルパートナーシップ強化の背景

インドのグローバル企業インフォシスがNTT Comと組んだ理由

2015年06月09日 07時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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クラウド分野でのパートナーシップを強化するNTTコミュニケーションズとグローバルでのパートナーシップを締結したのが、インドのITサービス企業であるインフォシスだ。インフォシス日本法人代表のV.スリラム氏に今回の協業について聞いた。

クラウドインテグレーターを目指すインフォシス

 インフォシスは、2015年3月の時点で通期の売上が1兆円を超えるインド最大手のITサービス企業。1981年の設立当初からグローバルを指向しており、インドのリソースを活用し、世界中にサービスを提供しているという。

インフォシスの日本法人であるインフォシスリミテッドのシニアバイスプレジデント兼日本代表V.スリラム氏(右)、NTTコミュニケーションズ 理事 第五営業本部 営業推進部門長 兼 企画部門長の工藤潤一氏(左)

 今回のNTTコミュニケーションズとの協業には、今後のITシステムにおいてクラウドの役割がきわめて大きくなっているという背景がある。スリラム氏は「固定費ではなく、変動費でITサービスを使いたい、あるいはユーザー部門が直接サービスを購入したいというニーズが高まっている。こうなるとクラウドはきわめて重要」と語る。インド発のITサービスを日本で展開していくのにあたっても、グローバルでクラウドサービスを提供しているベンダーとの提携は大きな意味を持つという。

 こうしたクラウドファーストの時代、インフォシスが狙うのは、ITサービスより上位の「ビジネスサービス」の提供だ。スリラム氏は「複雑化しすぎたITにお客様は疲れています。今後は、できあがったビジネスサービスを購入し、スモールビジネスから育てていく時代になる。こういう時代になった場合、従来型モデルにこだわりすぎると、新しいビジネスを生み出せない。われわれは企業システムと連携したシステムをクラウド上に構築できるCIer(Cloud Integrator)にならなければならない」と語る。

 そして、こうしたビジネスサービスはハイブリッドクラウドという形で進むという。スリラム氏は「今後のITアーキテクチャを考えると、企業の差別化になる部分はオンプレミスで、CRMや人事など標準化できる部分はプライベートクラウド、そしてEメールやコラボレーションなどはパブリッククラウドという具合に使い分けられる」と語る。実際、欧米ではクラウドを取り込んだ新しいアーキテクチャへの移行が始まっており、日本企業がこのトレンドに乗り遅れることをスリラム氏は危惧する。

インフォシスが描く、今後の企業ITアーキテクチャの姿

ビジネスサービス提供に向けて最強の協業体制

 こうした中、インフォシスとNTTコミュニケーションズはグローバルビジネスのビジョンを共有し、お互いの強みを活かしたパートナーシップを目指す。「NTTコミュニケーションズはインフラ系が強い。しかも、ネットワークとインフラが両方あるので、ワンストップで提供できる。われわれはアプリケーション領域の企業なので、両者を組み合わせて、フルスタックのビジネスサービスを提供できる。これが今回の提携のポイントだ」とスリラム氏は語る。

インフォシスとNTTコミュニケーションズとの協業

 NTTコミュニケーションズとしても、インフォシスのようなグローバル企業との提携は大きい。NTTコミュニケーションズ 理事 第五営業本部 営業推進部門長 兼 企画部門長の工藤潤一氏は、「弊社も当初は日本企業のグローバル進出を追いかける形でビジネスを進めてきたが、やはりそれだけでは立ちゆきません。最近では弊社も日本企業以外のお客様が増えており、インフォシス様のような真のグローバル企業とのパートナーシップが重要になっています」と語る。NTTコミュニケーションズは黒子に徹し、パートナーとの協業でビジネス拡大を目指すというのが基本スタンスだ。

 今後は個別の案件で協力していくだけではなく、インフォシスが開発したビッグデータやIoT、デジタルマーケティングのプラットフォームをNTTコミュニケーションズのクラウド上で提供していく。さらにインフォシスの成長の原動力である教育プログラムにNTTコミュニケーションズのメンバーが参加する。インドのマイソールの施設で研修を受け、グローバル人材の育成を進めることになる。

 インドと日本の市場のみならず、グローバル全体を見据えた今回の協業。この背景には、長らく日本市場でビジネスに携わってきたスリラム氏の思いもあるようだ。「今まで海外発のグローバルパートナーは多かったが、日本発のグローバルパートナーがあってもよいと思った。インド経済も成長を遂げており、NTTコミュニケーションズとわれわれが共同提案することで、さまざまな市場のニーズを満たすことができる」とスリラム氏は語る。

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