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業務に使えるドローンの需要と供給が確立しつつある

もはや“オモチャ”の段階は過ぎた「第1回国際ドローン展」

2015年05月23日 12時00分更新

文● 行正和義/ASCII.jp

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千葉の農家でマルチコプターによる農薬散布が流行!?

 最近、さまざまなメディアではドローンの多様な可能性(や危険性)がとりあげられているものの、現実のマルチコプター製品とは若干かけ離れているとりあげ方がなされることも多い(電池の持ちから考えても無理のある未来図はけっこう多い)。しかしドローン展においては、実際に今現在の技術で可能なことを示し、今現在ある製品をどう業務に使うか知りたい人達が集まっている。会場でも、このクラスの機体であればどれくらいのものを運べてどれくらいの時間を飛べるといった具体的な会話を頻繁に耳にした。

日立のマルチコプター運用システム
 機体はエンルート製。ラジコン操作する台車と、そこから発着して有線給電を受ける機体からなる。災害地などの人の立ち入れない場所での運用が考えられているようだ。


 メディアやネットの言説でさまざまな誇張はともあれ、実際にドローンを業務に使いたいと考える現場、そしてその需要に向けて製品を開発・提供するドローン市場は着実に拡大していきそうだ。

エンルートの農薬散布用マルチコプター
 農薬散布といえばヤマハのRMAX/FAZER(エンジン機)が有名だが、より操縦できることからかなりの引き合いがきており、ヤマハ農薬散布ヘリと併用している農家も多いという。なんでも千葉の農家ではクチコミでマルチコプター農薬散布が流行りつつあり、近場の幕張だけに実際に見に来た農家の人も多いらしい。


ハイテックの新製品
 今回の展示会ではホビードローンはさほど目立つ存在ではないものの、ハイテックは新機種を用意。RC loggerシリーズの新モデルはGoProクラスならば載るサイズのマルチコプター。海外ではRTF(組み立て済みキット)として市販されたばかりのモデルで、プロポ(送信機)にスイッチが増えていることからも分かるように、リトラクタブル着陸脚やカメラジンバルコントロールなど、ホビークラスとしてはかなり高い機能を持つようだ。


パロット Bebop Drone
 AR.DroneやBebop Droneのパロットも出展。やはりBebop+スカイコントローラーのセットは初心者でも使える空撮入門機と言える。


パロットが展示していた固定翼機(日本未発売)
 空撮・測量用に特化した機体で、操縦は基本的に行わず、タブレットPCなどから飛行ルートをプログラムして手投げで離陸、ルート飛行後に自動着陸する。機体中央部にコンパクトデジカメをそのまま収めて空撮(真下のみ)を撮影するもの。マルチコプターばかりが展示されたドローン展であるが、飛行時間・航続性能を考えれば固定翼機ドローンの必要性も高まることが予想される(もちろん離着陸場所が用意できる地域であれば、だが)。


日立マクセルのドローン用リチウムポリマーバッテリー(14000mAh)
 機体だけでなく、機体制御用コントローラー(主に輸入品)をはじめとしたさまざまな個別パーツ・サポート機器も展示されていた。業務用大型機ともなれば驚くほど巨大なリチウムポリマーバッテリーを用いる。EVにも使われる技術を用いており、ホビードローンやラジコン機のリチウムポリマーバッテリーのような半ソフトシュリンクと異なりハードケースが採用されている。


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