スモールビジネスに翼を授けるNOWing SERVER 第3回
カミクボ、大型案件を前にIT武装に悩む会社を救え!
看板会社が悩むAccess DBの移行先はNASか?サーバーか?
2015年03月11日 07時00分更新
敏腕SE営業カミクボがテックウインド「NOWing SERVER」を片手に、スモールビジネスのIT活用を開拓するシリーズ。レガシーOSの移行に悩むアパレル会社を訪れた前回に続いて、今回訪問したのは、NASの導入を検討している看板の制作会社。カミクボがNAS導入にストップをかける理由は? チェキナー!

今日はAccess DBの扱いに悩む看板会社に行くぜ!
※本記事の内容はフィクションです。
そんなビッグな案件にそんなAccess武装で大丈夫か?
小規模SIerのテックシステムズでSE営業として勤務するカミクボはユーザーに正直なタイプだ。ユーザーが将来的に運用に困る提案はしないし、懸念点があれば、事前に検証して芽を摘む。オーバースペックな製品は使わないが、要件に対して、性能面で不安があれば、事前にユーザーに確認する。スモールビジネスの場合、ユーザー自身が製品やサービスを検証することはできないので、SIerがきちんと導入と運用をサポートすべきと考えているからだ。そんなカミクボが今回訪れたのは、古くから看板の製造・販売を手がけるナカムラサインだ。
看板業界は伸び盛りという業界ではないが、一定の需要があるというビジネス概況だ。ただし、基幹システム以外のIT化は進んでおらず、ナカムラサインも商品や在庫管理はすべてExcelやAccessで担っているのが現状。今回、カミクボが呼ばれたのは、こうしたExcelやAccessの管理に問題を感じたのが発端のようだ。問い合わせを受けたカミクボは、IT担当の総務部シオカワ課長に話を聞くことになった。
シオカワ課長:お越しいただき、ありがとうございます。さっそくなんですが、ファイルサーバーの導入を検討しているので、相談にのって欲しいんです。先日、再来年を見越した大きな案件を受けることが決まったのです。
カミクボ:それは、おめでとうございます!
シオカワ課長:実は某大手銀行の合併で、日本全国にあるATMや支店の看板を新しいものに作り替えるというプロジェクトです。スポットのお仕事なのですが、店舗数が多いので、かなりの受注金額です。それなりの規模の看板作りを手がける会社がもはやあまりないということで、うちにおはちが回ってきたようです。ただ、来期からスタートするにあたって不安なのが、商品の管理なんです。
カミクボ:店舗が多いから、商品点数が多くなるということですか?
シオカワ課長:その通りです。実は今までのオーダーは最大でも数百点程度だったので、以前、派遣社員さんに作っていただいたAccessのデータベースをPCに入れて使っていたのです。でも、先日初めての打ち合わせに臨んだ営業が聞いてきた話だと、発注点数が数万に及ぶということです。
カミクボ:えっ? 日本全国でもATMの数はそんなにないですよね。
シオカワ課長:本当に大手の銀行なので、ATMだけでも2万強あるんです。それぞれの店舗の上には店の看板、道路側に設置するスタンド看板、店舗突き出し看板などがあり、しかも大きさが全部違います。型番での管理ができず、すべてオーダーメイドになるんです。なので、既存のAccess DBをNASってやつで、うまく共有できないかと。NASがあれば、Access DBを複数のユーザーで使えるんですよね。

ナカムラサインが想定するNASによるAccessファイル共有。でもいくつかの課題が!
カミクボ:確かに。ちなみにクラウドの導入意向はいかがですか?
シオカワ課長:いろんなメディアでクラウドの導入は見ているのですが、なにせ案件が大手銀行なので、情報の取り扱いが厳しいのです。ですので、今回は自社でシステムを抱える前提で予算をとってあります。
カミクボ:わかりました。DBの移行も含め、最適なプランを考えてきます。
守秘義務の書類を交わして、Access DBを持ち帰ってきたカミクボは考えた。確かに既存のAccess DBをそのまま活かすのであれば、データ保護機能の充実したNASでファイル共有するのがよいだろう。しかし、今回のようにAccess DBをNASでファイル共有する方法は、ナカムラサインのために果たして正しいのだろうか? 複数ユーザーが利用する場合は、絶対にSQL Serverだ。データの書き込みに対して排他制御がきちんと効くし、トランザクションログが残るので障害時でもデータの一貫性が保証される。性能やセキュリティという観点でも、やはりSQL Serverのようなクライアント/サーバー型データベースの方が望ましいだろう。

検証にいそしむカミクボさん。まさに「いつしかまぶしい 男の光」だ!
(次ページ、あえて顧客の希望とは異なる選択肢を提案!)

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