2月9日、サンディスクはエンタープライス事業に関する説明会を開催。昨年買収したfusion-ioのビジネスを含めた戦略について説明した。
エンタープライズでも幅広いポートフォリオを展開
26年にのぼるフラッシュ分野での実績、5000以上の特許をベースに数多くのフラッシュ製品を展開するサンディスク。コンシューマー向けのメモリ製品や、モバイルデバイス・PC向けSSDのほか、エンタープライズ分野も昨年買収したfusion-ioのiomemoryシリーズで強化されたという。特にOEMは強力で、大手5社のサーバーと4社のストレージのOEMで提供しているという。
米サンディスク バイスプレジデント ワールドワイド コマーシャルビジネスチャネルのケン・オーバーマン氏は、「エンタープライズ、モバイルからデータセンターまで市場でもっとも広範で、ベストなポートフォリオを提供している」とアピールした。
一方、日本法人の加藤誠氏は「ご存じの通り、NANDのファブを持っているのはグローバルでも5社しかない。その中で、垂直統合されているメモリのサプライヤーであることは大きな差別化となっている」と語る。特に強調したのは、東芝とサンディスクのジョイントベンチャーが設立した東芝四日市工場の重要性。「東芝とのアライアンスは世界でもっとも成功したジョイントベンチャーと言える。四日市は世界一のNANDのファブ。全世界のデマンドの50%近くが、この四日市で生産されている」とアピールする。
耐久性の高いSSDや4TBのSSD、そしてioMemeryシリーズ
従来のビジネスはOEMとリテールの2本柱だったが、2013年からチャネルビジネスの立ち上げをスタート。現在は認定ディストリビューターを介したパートナープログラムの整備を進めており、本日付けで東京エレクトロンデバイスが5社目のディストリビューターになったことが発表。fusion-ioだけではなく、全ポートフォリオを取り扱うという。
エンタープライズ向けの製品としては耐久性の高い「Cloudspeed Ultra」、PCIe SSDのioMemory、最大4TBの容量を持つ「Optimus Max」などがある。「4TBの容量があれば、データセンターで複数のストレージを集積することが可能だ。フットプリントも大きく削減できる」(加藤氏)。
バイイングパワーの高いクラウド事業者のニーズについて、オーバーマン氏は「クラウドビジネスにおいては、数千万、数億のアクセスをさばけるアクセス性能が重要だ。一方で、これまでにないレベルでの信頼性を要求される」と語る。ioMemoryのNANDフラッシュも遠からずサンディスクのものが採用されることになり、より信頼性や性能、コストパフォーマンスを高めていくことになるという。