
スマートフォンでタクシーが呼べるアプリ「スマホdeタッくん」バージョンアップ。3月より約1万1000台のタクシーが配車可能に
東京ハイヤー・タクシー協会は1月28日、スマートフォンでタクシーが呼べるアプリ「スマホdeタッくん」のバージョンアップを発表し、記者発表会を開催した。
スマホdeタッくんは、ユーザーのGPS情報を元に最寄り地点のタクシーを呼び出せるアプリ。アプリの地図上で迎車地点を選択して、場合により施設名や車の付け位置などを指定すれば、最大2分でタクシーの検索が完了、5分以内に到着するとしている。
本アプリは、東京ハイヤー・タクシー協会が2014年1月に配信開始。現在は約4万ダウンロードされ、1ヵ月で約5000台を配車しているという。対応OSはiOS、Android 4.0以降、Windows 8/8.1となっている。価格は無料だ。
対応車両は1万1000台、シェア約55%へ
スマホdeタッくんで呼べるタクシー無線は、2015年3月に配信当初の5グループから8グループに拡大。イーエム無線、共同無線タクシー、グリーンキャブ、大和共同無線、チェッカー無線、日本交通、日の丸共同無線、帝都自動車交通のタクシーが呼べるようになる。これにより、スマホdeタッくんで呼べるタクシー無線は対応車両が約1万10000台を突破し、シェア率は55%に達する予定だとしている。
スマホdeタッくんの最大の武器は「供給力」
発表会では、東京ハイヤー・タクシー協会会長の川鍋一朗氏が登壇。川鍋氏は「タクシーアプリは世界で注目されはじめています。その中でもスマホdeタっくんは、初めていち企業でなくタクシー協会としてスタートさせたアプリです。最大の武器は供給力で、配車できる台数はこれからさらに増加します。スマホdeタっくんは、交通を変える可能性があります」と述べた。
来賓として国土交通省大臣官房審議官の若林陽介氏が登壇。若林氏は「タクシー産業は1対1のサービス。他の公共機関にはできない、お客様の要望に合わせてカスタマイズできる唯一のサービスです。今後の高齢化、人口減を支えるインフラとしてタクシーは重要になってきます。そのタクシーと個人を結びつけるアプリとしてスマホdeタっくんはあると考えています。スマホdeタっくんを使った事業展開は、東京の“売り”となり、世界の皆さんに見せたいと考えている」と語った。
半径1km圏内の空車タクシーを表示、タクシーの配車がしやすい場所か確認できるように
また、バージョンアップに伴った機能強化も発表。アプリで乗車場所を指定する際、半径1km圏内の空車のタクシーを最大10件地図上に表示可能に。トップ画面を削除し、アプリ起動後に乗車場所を指定する地図画面を即起動するようにもなった。履歴やお気に入り、会社一覧、設定などは、左上のメニューボタンに集約され、タップすれば表示する。
配車する際に、ユーザーの好みに合わせて黒塗りのタクシーやエコカーが選択できる「車両選択機能」も追加。タクシーの選択ロジックを改善し、ユーザーがいる方向に進行しているタクシーが優先して選択されるようにもなった。これにより、迎車がUターンすることがなくなり、迎車距離の短縮が期待できるという。
英語版「Tokyo Taxi Association-TAKKUN」をリリース
さらに、2020年に開催される東京オリンピック・パラリンピックを見据え、英語版「Tokyo Taxi Association-TAKKUN」の配信を開始。日本語版では名前の登録が必要だが、英語版では任意となる。その代わりに配車時に表示する「Radio Number」の番号で、ドライバーは配車した本人か確認する仕組みになる。なお、英語版では車両選択機能は非対応となっている。
自宅のインターフォンでタクシーが呼べる!?
そのほか、住宅向けインターホンシステムを手掛けるアイホンと連携し、インターフォンを押せばタクシーを呼べるシステムも開発中とのこと。リクルートグループのブログウォッチャーとも基本合意を行い、iBeaconを活用したビジネス展開も検討しているという。
