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元ピープルソフト出身者が設立した業務クラウドベンダー

クラウド型の人事・財務ソフトのワークデイが国内展開を本格化

2015年01月15日 14時00分更新

文● 河内典子(@mucchio)

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1月14日、大企業向けクラウド型財務・人事ソフトを手がける米ワークデイは、日本法人の人員を増加。営業活動の本格化を発表する記者会見を行なった。

グローバル企業からスタートし、日本企業へも展開

 2005年から米ワークデイは、元ピープルソフトの経営陣によって大企業向け財務・人事向けソリューションをクラウド型で提供している。日本法人は2013年に設立し、これまでにソニーや日産を含む、日本国内で事業を展開する150社のグローバル企業に対する製品導入および運用サポートをしてきた。会見では、日本企業のクラウド導入が本格化しつつあると見て、日本企業向けに積極的に営業を行なう意向を示した。

 日本国内では、アクセンチュア、HP、IBMなどの25社以上の販売パートナー、Salesforceや日本マイクロソフトなどの50社以上のソフトウェア開発パートナーと協力して、ソリューションを提供していく構えだ。

米ワークデイのプレジデント兼COOのマイク・スタンキー氏

 米ワークデイのプレジデント兼COOのマイク・スタンキー氏は、自社のサービスを「1バージョン、1コア」と表現し、グローバル企業で利用するクラウドソリューションをワークデイ側で少なくとも年に2度アップデートしていくので、国ごとに財務・人事評価軸が食い違うことはないと強調した。

 人事向けソリューションとしては、人事管理、福利厚生、能力マネジメント、給与計算、リクルーティング、タイムトラッキング、ワークフォースプランニング、ビッグデータ分析を行なう。財務向けソリューションでは、資金調達、会計・財務、マネジメントレポーティング、プロジェクト・業務管理、経費管理、収益管理、補助金管理、ビッグデータ分析を提供している。

 米ワークデイは数多くの実績を持っているという。tripadviserの人事向けソリューションは6カ月、財務は7カ月で運用開始し、Carefusionは、グローバルで展開する130のシステムを7カ月で統合したという。また、アメリカ自動車協会・カナダ自動車協会では、レガシーERPシステムと比べ、60%のコストを削減。Lifetime Fitnessは、給与計算の時間を48時間から1時間以下に短縮した。Flextronicsは、30カ国で合わせて、80種類にも及んだ人事システムを単一の統合型の人事マネジメントシステムに置き換えたという。

マンリソースを有効活用できる仕掛け

 ワークデイのHCMプロダクトマネジメントディレクターの宇田川博文氏は、ワークデイソリューションの利用シーンを紹介した。新人スタッフの生産性はどうか、重要プロジェクトにトップ人材が配属されてるか、ベトナム工場の人件費は最適化できているか、などの現場の疑問に対し、人事部が画面上で分析して速やかにアクションが起こせる。

 さらに、実際の画面を使って、次の2つの利用シーンも紹介された。1つ目は、システムから営業職に空席があると、アラートを受け取った副社長は、状況を把握するため、さまざまなデータを確認する。事業所別の職務を確認して、サンフランシスコに若干の空きがあり、香港にはかなりの空席があることを確認。副社長は、サンフランシスコと香港のスタッフと早急にミーティングをセットアップして対処する。

 もう1つのシナリオは、人事情報と顧客管理情報のクロス分析を行なう例だ。営業成績は良いのに、評価が低いためにやる気を失っている社員に、すみやかに臨時ボーナスを出したり、給料を増やしたり、昇進させたりする例。権限に応じてすぐにアクションが起こせることが特徴だ。

 価格に関して聞いたところ、「1万人規模でコンサルタントが3−5人、1年未満の展開で、データ処理を組織の内部で行う場合、一年間で75万ドルが相場」と回答を得た。コスト計算は社員の一人あたりのコストに社員数をかけて計算するという。

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