Microsoft UKは11月6日、視覚障害者向けの都市ナビゲーション技術「Cities Unlocked」のパイロットプログラムをロンドンにて進めていることを発表した。
視覚障害者にとっての開かれた街づくりを目指すもので、スマホと連動するヘッドセットを用い、街の各所に設置されたWi-FiやBluetoothのビーコン情報から現在位置や歩行ルート、駅やバス停、店舗などの音声ガイドを行う。ビーコン信号の受信やGPS、ネットのサポートといった機能はスマホ側のアプリが担うが、ヘッドセットは単なる音声ガイドの通知だけでなく、3Dサウンドスケープ(立体音像空間)を提供するのが大きな特長だ。
ヘッドセットは米Aftershokz製の骨振動ヘッドフォン(装着者の耳を塞ぐことなく音の通知できる)をベースにしているが、利用時にKinectを使って装着者の頭部形状を計測して音響の伝達モデルを作成、頭蓋の形や耳の位置などに合わせてカスタマイズされる。外部ノイズを補正した音声は方向性を持って装着者に伝えられ、駅の改札や店舗といった周辺のポイントの位置をガイド音声の向きで把握でき、ガイド音によって歩道をまっすぐ歩くことも容易に行えるという。
Microsoft UKによると、英国では登録された視覚障害者の7割は部分的に失業しており、適切な技術を利用して視覚障害者にとって都市を利用しやすいものにすることで社会参加を促すことができるとしている。
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