クラムシェルからタブレットへ変形
もしdynabook P75が、コンバーチブルノートだと知らずに手にした人は、変形するという事実に気づかないかもしれない。それくらいヒンジ周りに違和感がない。どうしても普通のヒンジよりもゴツく目立つものになりがちだが、本体サイズが元々それなりに大きいおかげなのか、そうした印象はなかった。
実際にディスプレーを開いてみると、すんなりと180度開く。そこから本体を持ち上げてさらに開けば、トップカバ―と底面とが合わさってタブレットスタイルになる。もちろん縦持ちにすれば画面も縦長になる。180度開いた時にはキーボードが有効だが、それ以上にディスプレーが後ろへ回るとキー入力が無効化される。タブレットスタイルの時にキーボードが露出したままになるタイプの変形だが、利用には問題ない。
もちろん、途中で止めることも可能だ。真上を向けたまま数人で覗き込んでもよいし、ヒンジを上にしたテントスタイルや、キーボードを底として使う形でディスプレーを立てるフォトスタンドのようなスタイルにもできる。
テントスタイルが本命? 大型コンバーチブルの使い道
コンバーチブル端末というとどうしてもクラムシェルとタブレットを使い分けるイメージがあるが、「dynabook P75」の場合は重量的にもサイズ的にも、手に持って使うには少し辛い。もしタブレットとして使うならば、膝に載せたり、机に立てかけたり、なにかしらサポートがないと使い続けられないと感じた。
もちろん、クラムシェルとしての使い勝手はよい。十分なディスプレーサイズのおかげで、手元も姿勢も楽な状態で利用できるし、一覧化できる情報量も多い。唯一、タッチで利用しようとするとディスプレーがぐらつくのが気になるくらいだ。ディスプレー部分が薄く、ヒンジがスムーズに動くように作られている分、強く触れるとどうしても揺れてしまう。サイズが十分あるだけに、普通にタッチパッドで作業した方が快適かもしれない。
ではタッチ機能はどこで活きるのかというと、テントスタイルだと考えられる。本体の重さもディスプレーの揺れも気にならないスタイルだし、大画面タッチがすっきりと使える。このスタイル自体は多くのコンバーチブル端末で実現できる形ではあるが、ディスプレーサイズが小さい端末では魅力が少ない。15.6型なら、映像を楽しむためのシアタースタイルとしての利用や、プレゼンテーションをすっきりと見せる手法として実用的だ。
次回はインターフェース周りやベンチマークによる性能評価などを中心に紹介しよう。
dynabook P75/W8Mの主なスペック | |
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機種名 | dynabook P75/W8M |
CPU | Core i7-4510U(2.0GHz) |
GPU | インテル HD グラフィックス |
メモリー | 8GB |
ストレージ | 1TB HDD |
ディスプレー | 15.6型(1920×1080ドット) |
通信規格 | 無線LAN(IEEE 802.11a/b/g/n/ac)、Bluetooth 4.0 |
インターフェース | USB 3.0端子×3、HDMI端子×1、マイク入力/ヘッドフォン出力端子×1 |
カメラ | 92万画素ウェブカメラ |
センサー | 電子コンパス、加速度センサー、ジャイロセンサー、照度センサー |
サイズ/重量 | 約幅382.0×奥行246.8×高さ19.0mm/2.3kg |
OS | Windows 8.1 Update(64bit) |