高域・中低域ドライバーの搭載技術を600 S2シリーズと共通化
CM S2シリーズではこれまでのCMシリーズを踏襲しつつ、CM10以降のモデル(特にB&W 600 S2シリーズ)が採用した技術を標準的に取り入れている。3月発表の600 S2シリーズではツィーターユニットの設計などで一部、既存のCMシリーズを先行している面もあった。
今回全モデルを通じて、CM10(関連記事)やPM1、B&W 600 S2シリーズ(関連記事)が採用した技術を積極的に取り入れている。CM10の発表からはまだ1年だが、投入時期によって差異が生じていた各モデルのテクニカルグレード(技術の世代)をラインナップとして揃えるという点が目的のひとつだ。
たとえばツィーターは、通常のアルミドームにリング状のアルミ素材を組み合わせ軽量性を維持しつつ、強度を高めた「ダブルドーム・トゥイーター」、フローティング構造でダイヤフラムや高域ドライバーをバッフルから浮かせた「デカップリング」機構、磁石で固定する金属製の破損防止カバー「トゥイーターグリル」などを採用している。
中低域用に用いるドライバー(FST)も、40周年記念モデル「PM1」と同様に発泡体ウレタン素材をケブラー製のコーンの中央部、ボイスコイルボビンにぴったりとはめ込んだ「エネルギー吸収型防振プラグ」を採用。ブックシェルフ型の3モデルではフェイズプラグが取り去られている。
ネジがなく、共振しないウーファー用リング
外観については、共通してバッフル面にネジのないシンプルなデザインとなっている。従来は中低域用のドライバーユニットの取り付けフランジに同じネジで固定されていたリングをだが、別個に固定する仕組みとしている。これはユニットの振動をリングに伝えないようにして、不要な振動を拾わないより純度の高い再生を得るのが目的だという。