急成長する中継コンテンツサービス
開始からわずか3年でこれだけ話題のサービスに成長したという点でも驚きなのだが、Wall Street Journalによれば、ネットワーク調査委会社DeepFieldの最新報告で、Twitchが米国内のネットワークトラフィック発生元としてNetflix、Google、Appleに続き第4位のポジションにあるという。
動画中継というトラフィック占有を起こしやすいコンテンツもさることながら、「中継を一定時間見続ける」という滞留時間の長さや特定ユーザーのリテンション率(滞留率)の高さも相まって、誕生したばかりの新興サービスがこうしたポジションに君臨することが可能になったと考えられる。2006年にGoogleがYouTubeを買収した金額が16億5000万ドル(約1717億2000万円、関連記事)で、当時がネットバブルの絶頂期だったことを差し引けば、Amazon.comによるTwitch買収の規模や影響を推し量ることができるだろう。
プラットフォームのひとつとして、プロや業界自体が活用
Twitchのポイントのひとつは、いわゆる「ユーザー生成型コンテンツ」(User Generated Contents)でトラフィックの増加を目指すだけでなく、ここをプラットフォームのひとつとしてプロや業界自体が活用する方向性を見いだした点にある。
この手のライブ配信サービスの特徴として、配信者は個人ユーザーやセミプロに近い層が中心となるが、Twitchの場合はプロゲーマーやゲームパブリッシャー(デベロッパー)、メディア関係者やプロのイベントプロモーターまで、ここをユーザー交流や宣伝の場として積極的に活用しようと動いている点で興味深い。
もともと、滞留時間の長さから広告宣伝の場として活用が期待されていたサービスで、ゲームパブリッシャーやデベロッパーにとっては新作プロモーションや新規ユーザー獲得の場として活用されるなど、ある意味で「メーカー公認のゲーム中継所」としての性質が強くなっている。
「話題のサービス」というインターネット文化の最前線に位置するサービスという性質もあり、この点が多くの関係者を巻き込んでさらに盛り上がりを見せている理由だ。