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中国スマホ向けの小型液晶出荷が4倍—シャープ、第1四半期業績が改善

2014年08月02日 14時00分更新

文● 大河原克行

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エネルギー—国内太陽電池の販売減少、プロジェクト減で大幅減収

 エネルギーソリューションの売上高は18.1%減の690億円、営業利益は97.3%減の1億円。「エネルギーソリューションは、国内太陽電池の販売減少や海外デベロッパーのプロジェクト案件の減少で大幅な減収となった」としたが、「太陽電池パネルだけのビジネスでは厳しいが、エネルギーソリューションビジネスの足がかりができたと考えており、通期では50億円の赤字見通しから、30億円の黒字見通しに修正する」と述べた。

ビジネスソリューション—海外でカラー複合機が伸張

 ビジネスソリューションの売上高は2.1%増の792億円、営業利益は1.8%増の77億円となった。

 「海外でカラー複合機が伸張したことに加え、特長製品であるインフォメーションディスプレイが国内外で堅調に推移した」という。

デバイスビジネス部門—スマホ向け中小型液晶の出荷が伸張

 一方、デバイスビジネス部門の売上高は前年同期比4.2%増の2659億円、営業利益は前年同期の93億円の赤字から80億円改善し、13億円の赤字。そのうち、液晶の売上高は前年同期比6.8%増の2069億円、営業利益は95億円の赤字から116億円改善し、21億円の黒字に転換。だが、電子デバイスの売上高は3.8%減の589億円、営業利益は1億円の黒字から35億円の赤字に転落した。

 「中国スマホメーカーをはじめとする重点ユーザーを中心にしたスマートフォン向け中小型液晶の出荷が伸張。一方で、テレビ向けの大型液晶は前年実績を割り込んでいる」という。

 中小型液晶は利益率が高く、液晶事業の収益拡大に寄与している。

 「テレビ向け液晶パネルでは、利益が出ていない。すべての利益が中小型液晶によるもの」(シャープの大西徹夫代表取締役兼副社長執行役員)としており、「金額ベースでは、中小型液晶の販売構成比が65%にまで増えている。

 亀山第2工場においても、中小型液晶比率は2013年度第4四半期には28%であったが、2014年度第1四半期は35%に高まった。これを今年中には50%以上にまで引き上げる」と、中小型液晶の拡大が収益性を高めることに寄与するとの考えを示した。

中国スマホメーカー向けの出荷は、4月〜6月で4倍に

 中国スマホメーカー向けの出荷は、4月〜9月で前年比5倍を想定。「4月〜6月でも中国企業向けの出荷数は4倍になっている。フルHDパネルなどの引き合いが予想を大きく上回っている」とした。

 今後、需給状況を見ながら、亀山第2工場での中小型液晶の生産比率を高めるための投資を検討するという。

 「50%以上の構成比にする機器やプロセスの改善が必要だが、数10億円の投資規模で済む」と、設備に増強には柔軟に対応できることを示した。

 なお、2014年度の通期業績見通しについては、「第1四半期の業績は順調に推移しているが、足下ならびに今後の見通しを踏まえて、前回公表値を据え置く」とした。

 通期の売上高は前年度比2.5%増の3兆円、営業利益は前年度比7.9%減の1000億円、経常利益は前年度比6.2%減の500億円、当期純利益は前年度比159.5%増の300億円としている。

 高橋社長は、「中期経営計画は、計画通りに進捗している。しかし、手を緩めることなく、中期経営計画を必達し、再生と成長の実現に邁進していく」と述べた。


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