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科学、IT、市民の協調で「2020年までに個別化医療を主流に」

インテルが語る「生命科学発展のためのIT/ビッグデータ」

2014年07月01日 14時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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社会全体の協調で「2020年までに個別化医療を主流に」

 パランジェペ氏は、個別化医療に対する米国やEUの政策についても触れた。生命科学やITが進化しても、患者個人のプライバシーや倫理的問題が残るからだ。インテルでは各国政府に政策面での提言も行っているという。

 パランジェペ氏は倫理的問題の例として、子供のゲノム情報を親がいつまで保持してよいか、長期間安全に保持できるか、あるいは何らかの病気の患者がDNA配列データを医薬会社に「販売」することは許されるのか、などを挙げた。また、DNA情報から特定の病気にかかりやすいことがわかるとなれば、就職や健康保険などでの差別を受ける可能性もある。米国ではすでに「遺伝子情報差別禁止法(GINA)」が存在し、こうした脅威から患者個人を保護するようになっている。

 このように、個別化医療の推進には生命科学やITだけでなく、社会全体が協調して取り組む必要がある。科学、学術、IT、HPC、そして市民の協調が必要だと、パランジェペ氏は述べた。

 「個別化医療が主流になるのは2050年、2070年、あるいは2090年までかかる――という市場の声もあるが、それではいかにも遅すぎる。インテルでは2020年までをめどとして、迅速に達成したいと考えている」(パランジェペ氏)

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