「VMware ThinApp」とIE互換ブラウザで既存業務アプリを“延命”
中京銀行、業務アプリ仮想化で1500台のXPマシンを短期移行
2014年06月24日 09時00分更新
愛知県に本社を置く中京銀行が今年4月、Windows XPのサポート終了に先立ち、全行で使用していた約1500台のWindows XPクライアントPCをWindows 7マシンに移行完了した。既存の業務アプリケーションにはOSのバージョンに依存するものが複数あったが、アプリケーション仮想化による“延命”を行い、短期間での移行を実現している。
同行のクライアントPC移行プロジェクトを支援した日本IBM、双日システムズ、日本電通の3社が、顧客事例として6月23日に発表した。
中京銀行では昨年(2013年)6月から、今年4月のWindows XPサポート終了に向けた対応の検討を開始した。しかし、移行対象となる30の業務アプリケーションのうち、新しいクライアントOS(Windows 7)でそのまま稼働しないアプリケーションが5つあり、これらを改修するには膨大なコストがかかることが問題となった。
アプリケーション改修以外の対応策として、中京銀行は移行スケジュールやコストなども鑑みて、IBMなどが提案した「VMware ThinApp」によるアプリケーション仮想化を選択すると決定。10月末からスタートした導入プロジェクトでは、11月初頭にかけての2週間で動作確認や表示のズレなどを確認し、2014年1月下旬には試行運用を開始するというタイトなスケジュールだったものの、XP依存アプリケーションをWindows 7上で動作させることを可能にした。
ただし、これらの業務アプリケーションには「Internet Explorer(IE)」のバージョン(Windows XPのIE 6)に依存するものもあり、マイクロソフトのライセンス上問題があった(単一のWindows上で複数バージョンのIEの実行はサポートされていない)。この問題に対して、日本IBMが双日システムズのIE互換ブラウザ「thinforie」を提案し、採用されている。
中京銀行の本店および営業店、全90拠点への新しいクライアントPC 1500台の展開作業には「IBMプラットフォーム導入展開サービス」を利用し、同行でのPC展開で実績を持つ日本電通との協業により、約2カ月間という短期間での展開を実現した。
中京銀行では今後、本来の銀行業務の機能やサービス向上に伴うアプリケーション改修に専念していく予定としている。