iWatchは競合にはならない
―― 先日のWWDCでiOS 8が発表されて、その中でサードパーティーのウェラブルガジェットとアプリ情報を統合するHealthというものも発表されました。これに対してどう行動されますか?
アンタビ 良い質問です。まだSDKに触っていないので、それについてコメントはし辛いですが、我々の考え方がオープンAPIである以上、UPとリンクすることは可能ではないかと思っています。
―― ウワサのiWatchについてはどう考えていますか?
アンタビ 多分そう来るだろうと思っていました(笑)。我々はハードウェア依存というより、全体の体験を重視しているので、iWatchのセンサーを使ってUPのアプリをアップデートするような可能性もあります。iWatchの中に同等のセンサーがあれば、UPのアプリにそのデータをアップロードするということです。
ただ、データ収集という観点から言えば、スマートウォッチは理想ではありません。ライフスタイルトラッキングにはUPのようなバンドでなければ無理だろうと思います。
―― 直接競合にはならないということですね?
アンタビ その通りです。今後もしばらく、この分野はスマートウォッチ、フィットネストラッカー、ライフスタイルトラッカー、この3つが発展して行くと思っています。我々はライフスタイルトラッカーのより良い姿を目指します。
―― 僕は自転車に乗るので腕時計型の心拍センサーを着けています。すると腕にいくつもセンサーを巻くことになるわけですが、何とかなりませんか?
アンタビ 製品のロードマップについて私からは一切話せません。ただ、我々は去年BodyMediaという会社を買収しました。この会社はまさにマルチセンサーを開発している会社です。ガルバニック皮膚反応(Galvanic skin response)という、皮膚の湿気で運動レベルを測るものです。そういう会社を買収したという点から見ても、おっしゃるようなことはできるでしょう。あとは、ご想像にお任せします。
著者紹介――四本 淑三(よつもと としみ)
1963年生れ。フリーライター。新しい音楽は新しい技術が連れてくるという信条のもと、テクノロジーと音楽の関係をフォロー。趣味は自転車とウクレレとエスプレッソ