独立行政法人 産業技術総合研究所(産総研)は5月14日、シャープと共同でカラー画像が撮影できる赤外線暗視カメラ用の撮像素子を開発したと発表した。
赤外線暗視画像は通常モノクロの画像となるが、産総研では物体の赤外線反射特性と可視光反射特性にある弱い相関関係に基づいて表色処理を行う赤外線カラー撮影の技術を開発。2011年には3CCD式のカラー暗視カメラを開発していた。
3CCD式カメラは大型かつ高価になることから、シャープとの共同開発によって1枚でカラー暗視画像を撮影できる撮像素子の研究開発を進めていた。今回開発された撮像素子は、パッケージサイズが10×10mm、HD720(1280×720ドット)/30fpsの撮影能力を持つ。
この撮像素子を用いて作製した赤外線カラー暗視カメラは、本体のサイズが約幅55×高さ60×奥行き90mm、重量約250gと小型軽量となった。モニタや録画装置、バッテリなどを搭載したモデルでは、赤外線ライトの照射により暗闇でも距離5m程度までの被写体の動画撮影・録画が可能という。
撮像素子の改良による高性能化を進めており、シャープおよびナノルクス研究所では2014年度中の製品化に向けて、より高度化された赤外線カラー暗視カメラや赤外線照射機などを開発中という。