独立行政法人 情報通信研究機構(NICT)は、超高速インターネット衛星「きずな」を使用したデータ伝送の技術改良において、世界最高速3.2Gbpsの広帯域伝送を達成するともに、世界初となる4K超高精細映像非圧縮伝送に成功したと発表した
「きずな」はNICTとJAXAが開発し、2008年に打ち上げた高速通信技術の開発・実証用の静止軌道衛星。1.1GHz帯域の電波を用い、打ち上げ当初のデータ通信速度は622Mbps。その後、1.1GHz帯域単一搬送波をフルに活用して伝送速度1.2Gbpsの通信に成功していた。
今回、「きずな」に搭載されている中継器の1.1GHz 伝送帯域内に16波の周波数多重化・多値変調信号処理を組み込むことによって世界最高の3.2Gbpsまで向上させた。さらにNICT が研究開発した「マルチチャネル映像伝送コーデック」を使って「きずな」の IP 衛星伝送プロトコルを組み込み、4K映像の非圧縮伝送に成功した。
4K映像通信が可能な「きずな」通信用地球局により、被災地の状況や負傷者の負傷箇所を4K超高精細映像で迅速に災害対策本部等に伝送する遠隔医療などの活用、4K圧縮映像ならば30チャネル程度の同時伝送の実現などが期待できる。また、NICT では周波数資源の一層の有効利用を進めるため、同一周波数帯域を使った更なる(4.8Gbps)広帯域伝送の実現に向けて検討を進めるという。
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