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ホワイトスペースを有効利用

情報通信研究機構、テレビ電波帯でLTE通信できるスマホを開発

2014年03月19日 14時34分更新

文● 行正和義

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試作したホワイトスペース対応スマホは引き出し式UHFアンテナに加え、サブアンテナを追加することもできる 

 独立行政法人情報通信研究機構(NICT)は、テレビ放送帯のホワイトスペースでの利用を想定した、LTEスマホを開発した。テレビ放送帯ホワイトスペースと既存LTE間を選択して使用でき、トラフィック負荷分散などが図られる。

 これは平成25年度に総務省から受注した「複数周波数帯の動的利用による周波数有効利用技術の研究開発」および「車車間通信技術を活用したネットワーク構築に関する研究開発」の成果を利用したもの。ホワイトスペースはテレビ放送の周波数帯(470MHz~710MHz)のうち、放送局が使用する周波数の間に予備的に用意されている空きエリアで、本来の目的に与える影響が少ない場合に限定して二次的に使うことが認められている。

試験システムの構成

 試作したスマホはホワイトスペース通信用のUHFアンテナを装備し、この周波数帯での通信もLTE技術を使用する。一般のスマホと同様に2GHz帯のLTE通信も可能で、切り替えて利用することができるようになっている。LTE通信の基本システムを共用としているためアンテナを除けばほぼ一般的なスマホと同サイズ。現在は2枚のSIMを装着し、ソフトウェアで既存LTEとホワイトスペースを切り替えているが、将来的には2GHz帯とホワイトスペースをローミングすることも検討しているという。

 実証実験ではホワイトスペース対応基地局を用意して通信を行っているが、スマホが現在の位置情報や無線諸元の基地局の管理装置に既存LTEを使って送信、基地局側で利用可能な周波数や送信電力をデータベースで管理してホワイトスペースを利用した通信を行うという。実験では従来のLTEからホワイトスペース利用へのスムーズな切り替えが可能なことを確認するとともに、小型の移動体の通信としての活用方法を検証、テレビ放送への影響を確かめめつつさらに小型化などを進める。

 トータルスループットなどの結果はリリースに掲載されていないが、同じく情報通信が実施したホワイトスペースを使った長距離ブロードバンド通信では4~5Mbpsの通信ができていることからもスマホでも十分高速に利用できそうだ。LTE普及によってさらにスマホの活用と通信トラフィック肥大が進み、災害時の通信集中だけでなく普段におけるトラフィック負荷もそろそろ考えなくてはならない。地デジ化によって使えるようになったテレビ周波数帯の有効活用が今後のモバイルネットワークのカギになりそうだ。

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