付属アプリを活用すればPCは不要に?
最後にアプリの使い勝手について紹介しよう。「HP Slate 21」には統合オフィスソフト「KINGSOFT Office for Android」やEvernoteと連動できる画像編集アプリ「Skitch」、リモートデスクトップアプリ「Splashtop2」に加え、HP独自のアプリも収録されている。
前述の「HP File Manager」は内蔵ストレージや外付けストレージのファイル操作が可能なほか、「HP Media Player」と連携して動画や写真、音楽の再生も可能だ。デジカメで撮影した写真や動画を家族で楽しんだり、USBメモリーに保存したお気に入りの音楽を楽しむのに向いている。
「HP ePrint」は、HP製の無線LAN対応プリンターをワイヤレスで使うためのアプリ。写真やウェブページ、オフィス文書やPDFなどを手軽に印刷することができる。ここまでできてしまうと、もはやWindows PCは不要とも思えるくらい便利だ。
文書のスキャンには「All-in-One Remote」を利用する。スキャンした画像はPDFでも保存可能で、仕事や家庭の文書、名刺などを取り込むのにも活用できる。
「HP Slate 21」は画面の回転機能に対応していないため、縦向きで利用するアプリは左右に黒い余白ができてしまう。横向き表示に対応しているアプリなら画面いっぱいに表示できるが、アプリによってはインターフェースが間延びしてしまうこともあった。しかしゲームや動画などのコンテンツは迫力がかなり増す。特に3D系のゲームは、USB接続のコントローラーを接続したプレーがおすすめだ。
ちなみにブラウザーでウェブページを閲覧すると、スマホ/タブレット向けのデザインで表示されることがあった。Chromeならメニューから「PC版サイトを見る」でPCと同じレイアウトで表示できるが、ほかのブラウザーを利用する場合は同等の機能を使うかユーザーエージェントを変更するといいだろう。
家庭での利用はもちろん企業向けにも使える
Android OSを搭載した個人向けのスマホやタブレットが広く普及した現在において、「HP Slate 21」は家族で写真や動画、アプリを楽しむホームエンターテイメントマシンとして活用するのが良さそうだ。また、タッチ操作メインで利用可能なため、子供に最初に使わせるPCとしても適しているだろう。
もちろん、キーボードとマウスも付属しているので、ある程度の作業にも使える。無線LAN経由でのプリンター利用も可能だ。本格的なPCに比べるとできることが限られてくるが、安価で気軽に使えるモデルをという需要は確実にあるはずだ。
アプリによってPCとは操作方法が異なるため、生産性が求められるビジネスシーンでの利用は厳しいように思う。だが、キーボードとマウスで快適に操作できるアプリが出揃えば、もしかしたらWindows PC代わりに使えるかもしれない。3万円台の一体型デスクトップはかなり魅力的だ。またキーボードを使わずに、企業や施設などで壁掛けの情報端末として利用するのもアリだろう。「HP Slate 21」は単に大きいAndroidタブレットではなく、さまざまな可能性を秘めたマシンだと言える。
なお、4月7日現在、HP Directplus オンラインストアでは、200台限定として本機が3万4800円(税別)で購入できるキャンペーンが行なわれている。ただでさえ安価な「HP Slate 21」をさらにお得に購入できる。このチャンスに買ってはいかがだろうか。