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「インメモリで●倍速い!」だけじゃない機能強化について中の人に聞いた

もうすぐ登場!「SQL Server 2014」の進化ポイントをチラ見せ

2014年03月19日 11時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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9割の企業が抱える「インメモリDBへの懸念」を払拭する

 3つの進化ポイントを概観したところで、高速なパフォーマンスとミッションクリティカル性の両立という1つめのポイントを、もう少し詳しく見ていこう。

 あらためて言うまでもなく、DBが高速化することはユーザーにとって非常に魅力的だ。そして、それを実現する技術として現在、多くのベンダーが取り組むのが「インメモリDB」である。当然、マイクロソフトもその例外ではない。

 だが、「(インメモリ化により)速くなることは顧客に大きな訴求力を持つが、それだけではなかなか製品の採用は伸びない」と北川氏は語る。北川氏は、ITRが実施したユーザー企業調査の資料を示し、ユーザー企業の約9割が、「コスト増加」「可用性の低下」「利用可能なデータの制約」など、インメモリDBに対して何らかの懸念(あるいは誤解)を持っていると説明する。

 「単純に『インメモリDB』として売り出しても、そのままでは受け入れられないのではと考えた。こうした企業の懸念を払拭しなければ普及しないのでは」(北川氏)

 そのため、SQL Server 2014ではインメモリ機能を「完全に統合」して従来と同様の使い勝手を目指し、さらに標準搭載によって追加コストがかからないようにするなどの施策がとられている。また、SQL Server 2012で採用された高可用性機能「AlwaysOn」も、Azureクラウドを利用したバックアップも前提として、セカンダリサーバー数を最大8つに増やすなど強化されている。

ユーザー企業が抱えるインメモリデータベースに対する懸念と、SQL Server 2014における“マイクロソフトからの回答”。ちなみにAMR(分析と移行、レポート)ツールにより、どのDBをインメモリ化すれば効率的になるかも判断できる

ワークロードに応じて3種類のインメモリエンジン

 SQL Server 2014では、すでに2012から搭載されていたメモリ最適化列ストア(xVelocity)に加え、メモリ最適化OLTPエンジン(Hekaton)も追加されている。ExcelのPowerPivot(Gemini)も合わせ、ワークロードの違いに応じて3種類のインメモリエンジン/機能が利用できるようになる。

 新しいメモリ最適化OLTPエンジンでは、メインメモリの利用にデータや処理が最適化されるほか、T-SQL(中間SQL)のネイティブコンパイル、CPUのメニーコアを利用した高並列の処理などの機能が提供される。

新しいメモリ最適化OLTPエンジン(Hekaton)の特徴

* * *

 なおマイクロソフトでは、すでにSQL Server 2014の評価版(CTP2:Community Technology Preview 2)やデータシート、ホワイトペーパーなどを下記サイトにて配布している。このサイトに今後、最新情報も掲載されることになる予定だ。

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