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本当にiPhoneよりウォークマンの音はいいのか!? 第1回

「ウォークマン」がiPhoneより音がいい理屈を解説!

2014年03月03日 12時00分更新

文● 海上 忍

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iPhoneとはココが違う その2
ビット拡張技術「DSEE HX」

DSEE HXの概念図。圧縮音源がハイレゾ相当の音にアップサンプリング&ビット拡張される

DSEE HXの概念図。圧縮音源がハイレゾ相当の音にアップサンプリング&ビット拡張される

 圧縮音源を“ハイレゾらしく”聴ける点も、ウォークマンのアドバンテージといえる。2013年秋発売の「NW-F880」シリーズおよび「NW-ZX1」に搭載された「DSEE HX」は、MP3やAACといった圧縮音源にビット拡張とアップサンプリングを施し、最大192kHz/24bitの音として聴かせてくれるのだ。

 DSEE HXは、以前から存在した帯域拡張技術「DSEE(Digital Sound Enhancement Engine)」にビット拡張技術を加えたものだ。

 DSEEはMP3やAACといったロッシーな音源を解析し、圧縮により失われた高域成分を独自のアルゴリズムで演算し予測する。

 ちなみに、ビットレートなどエンコード時の設定にもよるが、ロッシーコーデックでは高音域へ行くほどビットアサイン(情報量の割り当て)が少なくなり、15kHzあたりからCDのナイキスト周波数である22.05kHzまではビットアサインが急減することが一般的だ。

DSEE HXは設定画面からオン/オフできる。演算はCPUで行なわれるため、オンにすると消費電力が2倍近く増えることがタマにキズだ

DSEE HXは設定画面からオン/オフできる。演算はCPUで行なわれるため、オンにすると消費電力が2倍近く増えることがタマにキズだ

 圧縮音源をデコードするとき、中低域成分から高域成分を推定することにより失われた帯域をある程度復元し、CDクオリティの音へ近づけることが目的だ。

 さらにDSEE HXでは、16bitから24bitへのビット拡張を行なう。音の情報量を増やしダイナミックレンジを広げることで階調表現力がアップし、音の消え際など細かい音が鮮明に聞こえるようになるのだ。

 たとえば、CDから取り込んだMP3/AACのサンプリング周波数は(44.1kHz)は整数倍の176.4kHzへアップサンプリングされ、量子化ビット数(16bit)は24bitとなる。圧縮音源を176.kHz/24bitのハイレゾ音源として楽しめる、というわけだ。

 一方、iPhone 5sにはアップサンプリング機能もビット拡張機能もない。MP3などの圧縮音源はただデコードされるだけで、圧縮時に失われた高域成分もそのまま出力される。

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