デジカメユーザーの憧れ的な存在の1つが、35mm版フルサイズ素子を採用する「フルサイズ機」だ。フルサイズ素子ゆえに高画質な写真が撮れるのは当然として、レンズの焦点距離の表記そのままの画角で使えたり、目一杯背景をぼかした撮影ができたりと楽しみがたくさんある。
そんなフルサイズ機で今注目なのが、ソニーの「α7(ILCE-7)」。ミラーレス機なので薄くて軽くて従来のフルサイズ機に比べて持ち運びしやすくコンデジ感覚で使うこともできるデジカメだ。そんな「α7」の魅力を数回にわたって紹介しよう。今回は基本スペックからだ。
レンズマウントはEマウントだが、FE型番を選ぼう
レンズマウントは、NEXシリーズから引き続きEマウントを採用するが、従来のAPS-Cサイズ素子用にラインナップされていたレンズではフルサイズの撮像素子面積をカバーすることができず、装着時に自動的にAPS-Cサイズにクロップされるようになっている。「α7」で素子面積を目一杯使用するにはレンズの型番が「FE」で始まるレンズが必要だ。従来のAPS-Cサイズ用のレンズは型番が「E」で始まるので注意しよう。
「α7」は35mm版フルサイズの撮像素子を採用するミラーレスデジカメだ。ソニーのデジイチは一眼レフタイプの「α」シリーズ、ミラーレスの「NEX」シリーズとにわかれていた。この「α7」の登場で、「α」シリーズ1つへ統合された。
フルサイズ素子の採用のメリット
何といっても「α7」が衝撃的なのが、フルサイズ素子の採用だ。ボディサイズは幅126.9×奥行48.2×高さ94.4mm、重量は474g(バッテリーとメディア込み)。今までのNEXシリーズと比べてもさほど変わらないサイズながらも、フルサイズ素子を採用したことで撮像素子面積が2倍以上大きくなっている。撮像素子サイズが画質のすべてではないが、面積が増えれば増えるほど画質に有利なのは間違いない。
また、フルサイズ素子であることの大きなメリットが、35mm版の銀塩カメラと同じ画角が得られる点だ。銀塩フィルムを使ったことのない人にはピンと来ないかもしれないが、50mmという焦点距離のレンズは35mmフィルムを使う銀塩カメラでは昔からずっと標準レンズと呼ばれるレンズだ。
これを撮像素子サイズがAPS-Cサイズのデジカメに装着してしまうと、撮像素子面積の違いから中央部分を切り取って使うようになってしまうため、焦点距離が75mm相当とややこしい表記になって中望遠レンズになってしまう。撮像素子がフルサイズのデジカメなら50mmレンズは50mmのまま標準レンズであり続けることが可能だ。
(次ページ、「α7のスペックをチェック」に続く)
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