ネットワンシステムズは1月10日、愛知県のプライベートクラウド基盤および遠隔バックアップシステムを東海地域のパートナー企業とともに構築したことを発表した。このプライベートクラウド環境は、これまで汎用機で稼働していた業務システムを移行することで運用コストの削減を狙ったもの。2013年10月から稼働している。
愛知県では、情報通信技術の総合指針である「あいちICTアクションプラン2015」を2011年に策定し、経費削減や安定的運用のために「汎用機の廃止」と「情報システム基盤の再構築」に取り組んでいる。汎用機の運用に関しては、主に次のような課題が生じていたという。
- 長年にわたる運用で業務システムのプログラムが複雑化し、法制度改正等への対応が困難
- プログラム修正や運用管理が可能な技術者が減少し、安定的な運用保守要員の確保が困難
- 稼働している業務システムの要求する処理能力に比べ、汎用機の能力が過大
こうした課題を解決するため、愛知県はプライベートクラウド基盤を新たに構築して業務システムを移行し、汎用機を2014年3月末に廃止することにした。
「運用コストの削減」「安定稼働」「ベンダーロックインの排除」というプライベートクラウド基盤の要件に対し、ネットワンとパートナー企業は共同でVMware、Cisco、EMCの製品とオープンソースソフトウェア(OSS)を組み合わせた環境を提案。その結果、「高い信頼性と運用コスト削減を実現し、全庁システムに渡る効率向上を考慮した点が愛知県に高く評価された」という。
愛知県では、まず大型汎用機で稼働する12の業務システムをこのプライベートクラウド環境へ移行し、その後に個別サーバーで稼働する業務システムも順次移行していく予定だ。さらに、業務システムのデータは愛知県外の異なる電力会社管轄の地区へバックアップを行い、東南海地震に備えた事業継続/災害対策も実現するとしている。