今回のことば
「2013年のキーワードは、反転攻勢だった。反転は達成できたかもしれないが、攻勢については手がついていない」
(パナソニック・津賀一宏社長)
パナソニックの津賀一宏社長は、2013年1月に発表した年頭所感で、「反転攻勢の1年にする」と宣言した。
筆者は、今年1月に、その言葉の意図を、米ラスベガスで開催したInternational CESの会場で、直接、津賀社長に聞いてみた。
津賀社長は、「パナソニックは、2年連続での大きな損失を出しており、3年連続での赤字は許されない状況にある。ボトムラインを黒字に置くというのは当然のこと。そして、課題となるのは、事業を3年、6年という単位で見たときに、いい方向に行けるのかどうかという点である。マクロ(=パナソニック全体)に見て、いい方向にいくのか、ミクロ(=各事業部単位)に見て、適切な方向に行けるのかをしっかりと見極める必要がある」とし、「社員が悪い部分ばかりを見ていては元気にはならない。そんな環境では、新たにチャレンジをするということにはならない。反転攻勢の年という言葉のなかには、すぐに結果で出なくても、明るい発信をどんどんしていこうということも含まれている」などと述べた。
赤字事業の整理は確実に進んだが
それから1年を経過し、津賀社長は「反転攻勢」の成果を、次のように総括する。
「全社黒字化にめどをつけたという点では反転の成果がある。しかし、赤字事業が10事業残ることを考えると、反転にはカッコがつくともいえる。そして、攻勢ができたのかといわれれば、なにもできていない」
そして、こう続ける。
「2014年にどんなことを打ち出すのか。まだ明確な言葉はない。だが、この言葉をそのまま使うとすれば、『(反転)攻勢』という表記になる」などと、攻勢に重きを置くことを示す。
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